国立台湾文学館(台湾南部・台南市)とチェコのプラハにあるヴァーツラフ・ハヴェル図書館が6日、協力了解覚書(MOU)を交わした。これにより台湾とチェコは今後、文学交流を通してより緊密で堅実な友情を築いていくことになる。
同覚書の調印式はオンライン形式で行われ、国立台湾文学館の林巾力館長とハヴェル図書館のMichael Žantovský館長がそれぞれ双方の関係者立ち会いの下、両図書館の友好関係を象徴する覚書に署名した。この覚書は両国の文学をテーマにした展示、図書館員及び専門家の交流や相互訪問、出版、専門的な研修などに関する取り決めで内容は幅広く、台湾とチェコの人々が相互理解を深めるのを助けるものとなっている。
駐チェコ台北経済文化弁事処の柯良叡代表は、チェコの故・ヴァーツラフ・ハヴェル元大統領が台湾を支持したことが両国にとっての重要なマイルストーンになったとした上で、今回の覚書は文化の面で両国により豊かな協力関係をもたらすだろうと期待した。
柯良叡代表は、両国には同じ抑圧から解放への民主の奮闘史があり、詩人で劇作家であり革命家でもあったハヴェル元大統領は長期にわたって台湾を支持し、国連創設50周年の記者会見で台湾の国連加盟支持を訴えたほか2004年には台湾訪問も実現したと指摘、ハヴェル氏の著作『力なき者たちの力』、『プラハ獄中記―妻オルガへの手紙』は台湾でも翻訳されて台湾がチェコを知るためのルートになっているなど台湾の知識分子に深い影響を与えたと紹介した。
文化部(日本の省レベル)では、先人たちの豊かな政治交流の成果を基礎に台湾とチェコは文学の分野でも協力関係を広げていくと指摘、今年は国立台湾文学館による台湾文学をテーマにした特別展をハヴェル図書館で開くことを明らかにした。同特別展では両国の人々が共感する人権問題のみならず、ジェンダーやエスニックグループを跨ぐ問題にも踏み込み、島国の多様な声と多元的かつ開放的な特色を伝えることになるという。一方、国立台湾文学館は、2024年に台湾でチェコ文学展を開催し、ハヴェル元大統領の「ペンで権威主義に抗う」精神と行動を伝えていくとしている。