2025/07/04

Taiwan Today

文化・社会

漫画家・葉長青さん、スペインのアーティスト・イン・レジデンス事業に参加

2023/02/23
近未来漫画『蜉蝣之島(邦題:カゲロウの島)』などで知られる漫画家の葉長青さんが、今年9月から11月までスペインに滞在しながら創作活動を行う。写真は今回の事業に参加するために提出した創作漫画『神霊的奇幻之旅』の原稿。(葉長青さん提供、文化部サイトより)
文化部(日本の文部科学省に類似)は、スペイン・マドリードを拠点とする非営利団体「Hablar en Arte」と協力して実施する今年の「アーティスト・イン・レジデンス事業」に、近未来漫画『蜉蝣之島(邦題:カゲロウの島)』などで知られる漫画家の葉長青(Evergreen Yeh)さんを派遣することを決めた。葉長青さんは今回、『神霊的奇幻之旅』と題する創作漫画の企画書を提出。これがスペインの審査委員に評価された。葉長青さんは今年9月から11月までスペインに滞在して創作活動を行う。
 
葉長青さんはイラストレーターや漫画家として活躍。桃園市中壢区の私立中原大学地景建築学系(=建築学科)で講師も務める。代表作に『蜉蝣之島』、『牡丹燈籠』、『窗内燈籠』、『鰐魚燈籠』などがある。2021年には『蜉蝣之島』で第15回日本国際漫画賞銅賞を獲得し、フランス語版の翻訳出版契約を行った。2022年には仏アングレーム国際漫画祭の台湾パビリオンに作品を出展。近年活躍の場を広げている。その作品はファンタジーの要素が強く、神霊などを取り扱うものが多い。今回のスペイン滞在では、現地に伝わる神や悪魔、精霊などの伝説を調査し、現地の風景や地方に伝わる伝説を取り入れた漫画を創作する考え。また、スペインのモダンアートを研究し、それを創作に融合させるなど、より高いアート性を持つ漫画の表現方法にチャレンジしたいと意気込んでいる。
 
文化部は、台湾の漫画家と、世界各地のさまざまな背景を持つクリエーターとを交流させるため、2015年以降、台湾とフランスの双方が協力して毎年2人の漫画家を選出し、フランスのアングレームに滞在させる「アーティスト・イン・レジデンス事業」を実施している。2018年からはさらに1人をブロワの「メゾン・デ・ラBD」に送り込んでいる。2022年からはこれに、スペインの「Hablar en Arte」と日本の福岡県北九州市が加わった。文化部がこれまでにこれらの場所に送り込んだ台湾人漫画家は計22人に上る。
 
海外の「アーティスト・イン・レジデンス事業」に参加した漫画家たちは、異国での生活と体験を創作のエネルギーに転換しているほか、現地での交流を通して翻訳出版の契約を取り付けたりして、より多彩な作品作りにつなげている。文化部では、この事業に参加した台湾の漫画家たちがより多くの作品を生み出し、海外との協力の機会を得て、台湾の漫画の多様性をより高めることを期待している。
 

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