化粧品大手のロレアル(L'ORÉAL)の台湾法人「台湾萊雅」と呉健雄学術基金会が主催する第16回「台湾傑出女科学家奨」の授賞式が4日に行われた。「台湾傑出女科学家奨」は、台湾で最初かつ唯一の、科学の進歩に貢献した優れた女性科学者を表彰する賞。科学における女性の地位を向上させることを目的として2007年に設置された。今年の受賞者は以下のとおり。
最高賞「傑出奨」:中央研究院化学研究所特聘研究員の陳玉如博士
若くて優秀な女性科学者を応援する「新秀奨」:中央研究院天文及天文物理研究所研究員の林俐暉博士と国立台湾大学電機工程学系電子工程学研究所副教授の胡璧合博士
ポテンシャルを秘めた博士課程の学生を応援する「孟粹珠奨学金」:国立中央大学物理研究所博士課程の謝妮恩さん(現在は日本の北海道大学低温科学研究所博士研究員)
「台湾傑出女科学家奨」は台湾の「女性版ノーベル賞」と呼ばれ、この16年間で「傑出奨」と「新秀奨」を合わせると計49名の優秀な女性科学者を表彰してきた。台湾の最高学術研究機関である中央研究院の前任及び現任の副院長も過去に受賞している。ほかに中央研究院の多くの院士(フェロー)、高等教育機関の教授や研究センターの研究員などが多く受賞している。
教育部の統計によると、台湾において理系に進む女性は増え続け、2007年から2021年までで高等教育機関の理系の学科で学ぶ女性の比重は5.5%増えている。しかし、教育の男女格差が少ない台湾ですら、理系に進んだ女性が科学者となる比率は低い。世界の科学者のうち女性の割合は3分の1に満たず、それは台湾も同じだ。科学者の世界では依然、男女間に大きな差がある。「台湾傑出女科学家奨」は、科学に興味のある女性が科学研究に身を投じることを奨励している。それが科学界の多様な発展を促進し、ひいては台湾の科学の進歩を加速させることを願っている。