2025/05/29

Taiwan Today

文化・社会

台湾で72年間継承されてきた「チンギス・ハーン大祭」、台湾文化の多様性示す

2023/05/11
中華民国(台湾)文化部(日本の文科省に類似)は10日(旧暦3月21日)、台北市内のホテルで「成吉思汗祭典(=チンギス・ハーン大祭)」を開催した。写真中央は民族衣装に身を包んだモンゴル同郷会の海中天理事長。(文化部)
中華民国(台湾)文化部(日本の文科省に類似)は10日(旧暦3月21日)、台北市内のホテルで「成吉思汗祭典(=チンギス・ハーン大祭)」を開催した。チンギス・ハーンはモンゴル民族の「聖祖」として崇められ、モンゴルの人々は毎年旧暦3月21日になると盛大な祭祀を行う。台湾では1951年以降、72年にわたって行われている。
 
今年の大祭では、文化部の王時思政務次長(=副大臣)が「主祭」を、モンゴル同郷会の海中天理事長などが「陪祭」を務め、台湾在住のモンゴル人などが参加した。儀式は古いしきたりにのっとって行われた。文化部主催とモンゴル同郷会主催の二部に分けられて行われ、司祭者たちはいずれもモンゴルの伝統衣装に身を包み、厳かな雰囲気の中で儀式が行われた。また、会場では台北市立国楽団の伴奏により、合唱団が記念歌を歌った。
 
文化部によると、台湾では1951年にこの大祭を復活させた。台湾在住のモンゴル人たちの結束を促し、モンゴル人の精神を継承する場となっている。文化部は、モンゴル文化の保存、研究、普及に関する事業やチンギス・ハーン大祭の開催を継続していくことで、台湾在住のモンゴル人の文化伝承を支え、自由と民主主義に裏打ちされた台湾文化の多様性の一端を担うよう期待している。
 
今年の大祭にはモンゴル出身の留学生、モンゴルから台湾に嫁いできた「新住民(外国人配偶者のこと)」らも参加した。大祭後は文化部が用意したモンゴル伝統楽器「馬頭琴」やモンゴルの伝統的な歌唱法「ホーミー」、口琴などの演奏が行われ、モンゴル語の歌手がモンゴル民謡やオルディンドー(長調歌曲)を披露した。
 

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