国際博物館会議(ICOM)は1977年、5月18日を「国際博物館の日」と定めた。2023年のテーマは「博物館と持続可能性、 ウェルビーイング(Museums, Sustainability and Well-being)」。博物館が人々の心身の健康や持続可能性に果たす役割を強調したものとなっている。文化部の史哲部長(文化大臣)は16日、台北市内で行った記者会見で、「国際博物館の日」となる18日、台湾全土の80を超える公立・私立の博物館や文化施設などで入館料が無料となったり、優遇サービスが受けられることを明らかにした。また翌19日には、台東県台東市にある国立台湾史前文化博物館(略称:史前館)が約3年ぶりにリニューアルオープンする。
この記者会見には、文化部の史哲部長のほか、パラオ大使館のDavid Adams Orrukem大使と夫人のJanet Orrukemさん、ハワイのビショップ博物館の文化顧問Marques Marzan氏、国立故宮博物院の蕭宗煌院長、国立台湾史前文化博物館の王長華館長、台東県出身の歌手・舒米恩(スミン)さん、それに台湾各地の公立・私立博物館、地方の文化施設、学術界の関係者などが多数参加した。
19日にリニューアルオープンする国立台湾史前文化博物館は、3万年前から現代までの収蔵品2,091点を展示する。先史時代の文物だけでなく、台湾に根差したオーストロネシア語族の文化を代表するものも展示する。例えば、台東生まれで台湾プロ野球選手の林智勝さん(アミ族)が2015年のWBCで着用していたユニホームや、舒米恩(スミン)さん(アミ族)がアミ語の楽曲「Aka pisawad(あきらめないで)」で2016年の「金曲奨」年度最佳歌曲(=最優秀楽曲賞)を受賞したときのトロフィーなどもこれに含まれる。いずれも台湾先住民族の台湾への貢献を示すものとして展示されるという。