フランス「アヴィニョン演劇祭」の自主参加部門「アヴィニョンオフ(Avignon Off)」と、英国の「エディンバラ・フェスティバル・フリンジ」はコロナ禍に見舞われた2020年以降、規模の縮小や中止を余儀なくされてきたが、今年は従来通りの開催を再開する。台湾からは8組がエントリーし、現地で公演を行う予定だ。出発前の20日、台湾北部・台北市の華山文創園区(クリエイティブパーク)において、記者会見が開かれた。
文化部(日本の文科省に類似)によると、「アヴィニョンオフ」は、7月7日から同29日まで開催される。台湾からは、「艸雨田舞踏劇場」がダンスの動きによる比喩や言及を用いた人々との内なる対話《逐流》を、「フォルモサ・サーカス・アート(福爾摩沙馬戯団)」が日常の隙間や余白をさまようサーカス芸人が、二面性と思考行動を明らかにした《嘛係人》を、「翃舞製作(Hung Dance)」が焦りや不安に直面したときの人間の本性を表現する《羽人》、「荘国鑫原住民舞踏劇場(Kuo-Shin Chuang Pangcah Dance Theatre)」が台湾の先住民族アミ族にとって重要な行事となる豊年祭においての様々な体の動きを用いて、先住民族特有の文化の根底を伝える《Sakero》をそれぞれ上演する。
一方、「エディンバラ・フェスティバル・フリンジ」は、8月4日から同28日まで開催される。今年で10回目を迎える「台湾シーズン」では、「両両製造聚団」が言葉と文字を解体し、ゲームを通して探究する声と形が錯綜する《一字一世界》、「創造焦點(Eye Catching Circus)」がサーカスの物語の中に現代を生きる女性の認識や想像力の解釈を描いた《#Since1994》、「複象公場(The Double Theatre)」が文字、音と光、そして人形劇を通して世界の現状に応えた生命力にあふれた《回家》、昨年の「アヴィニョンオフ」に参加した「0471特技肢體劇場」が、昨年の経験を活かして、人間関係における変動や紆余曲折を模索した《Duo》をそれぞれ上演する。
今年57回目となる「アヴィニョンオフ」、76年目を迎える「エディンバラ・フェスティバル・フリンジ」は、国際的に名高い芸術イベント。いずれも芸術愛好家が集結する場所となり、世界各国のパフォーマンスグループが演技を競い、それらが評価される芸術文化の祭典だ。文化部は今年も引き続き、台湾から参加するパフォーマンスグループを国家代表として、交流できるようサポートする。台湾のソフトパワーとしての実力を示し、将来の国際的な協力において、無限の可能性を切り開くことができるよう期待される。