文化部の李静慧政務次長（=副大臣）は8日、5月26日に89歳で亡くなった作家・林文月さんの追悼式「永遠的風華-林文月紀念会」に出席し、遺族に「総統褒揚令（=国家に多大な貢献をもたらした国民へ贈られる公文書）」を手渡した。林文月さんの娘、郭思敏さんが遺族を代表して受け取った。
林文月さんは台湾文壇を代表する作家であり、学者、翻訳者としても知られる。古典文学の研究、日本の古典文学『枕草子』、『和泉式部日記』、『源氏物語』などの翻訳、散文の執筆などで活躍した。『午後書房』で第9回時報文学奨散文推薦奨、『交談』で第14回国家文芸奨散文類奨、『擬古』で聯合報最佳書奨文学類、『飲膳札記』で第三回台北文学奨を獲得。翻訳した『源氏物語』は国家文芸奨翻訳成就奨を得ている。2007年には国立台湾大学の『傑出校友』（=優れた卒業生）に選ばれ、2012年には行政院文化奨を受賞。2013年には日本の人間文化研究機構から日本研究功労賞が、2014年には日本政府による秋の外国人叙勲で旭日中綬章が贈られた。さまざまな作品を世に出し、学術分野で優れた研究を行っただけでなく、台湾と日本の文学交流の新時代を切り開き、台湾の学術界及び文壇に多大な影響を与えた。
追悼式は国立台湾大学文学院、同中文系（=学科）、日文系、それに文訊雑誌社が主催。林文月氏の遺族、日本台湾交流協会台北事務所新聞文化部の村嶋郁代部長、国立台湾大学の廖婉君副校長、文学院の康韻梅副院長、日文系の林慧君主任、文訊雑誌社の封徳屏社長らが出席し、故人を偲んだ。