2025/08/02

Taiwan Today

文化・社会

台湾の芸術史再建、国立台湾博物館が布袋戯に関する双書を発表

2023/08/29
国立台湾博物館が28日、伝統的な人形劇の布袋戯に関する双書2巻(写真)の発表会を行った。文化部は「台湾芸術史再建プロジェクト」展開の第一歩になるよう希望している。(文化部サイトより)
文化部(日本の省レベル)に属する国立台湾博物館が28日、同博物館南門園区の「小白宮」で、人形劇に関する双書「台博偶戯館蔵系列双書」2巻の発表会を行った。文化部の陳登欽主任秘書(主任秘書は部長、次長に次ぐナンバースリー)、国立台湾博物館の洪世佑館長、財団法人西田社布袋戯(台湾の伝統的人形劇、ボテヒ)基金会の陳栄祥董事長(=理事長)と創設者の陳金次氏、李鴻禧氏、楊維哲氏らが出席。また、西田社、新興閣、真快楽など台湾の伝統的な布袋戯団体の団長らも参加した。双書2巻は国立台湾博物館の人形劇に関する収蔵品1万点以上の中から西田社布袋戯基金会の寄贈した400点あまりの人形などを写真で紹介している。文化部では、同部が民間の芸術界で長らく取り組んでいる「台湾芸術史再建プロジェクト」がついに実を結んだものと説明している。
 
西田社布袋戯基金会、そして台原亜洲偶戯博物館(台湾北部・台北市)の創設者である林経甫氏は近年、国立台湾博物館に1万点を超える人形劇関係の文物を寄贈。そのうち西田社布袋戯基金会は2019年に3,000点近くの伝統的布袋戯と「金光」布袋戯、操り人形(マリオネット)、「皮影戯」(影絵芝居)などに関する文物と道具を寄贈した。今回発表された双書2巻にはそのうち400点あまりが収録された。「金光」布袋戯は武侠を主人公にして連続ドラマのようなストーリーを展開した布袋戯。効果音や光を多用した点も伝統的な布袋戯と異なっていた。
 
国立台湾博物館の洪館長は西田社布袋戯基金会、ならびに林経甫氏の寄贈に感謝、同博物館はすでに台湾で人形劇に関する文物を最も多く収蔵する博物館となっており、過去に開催した展覧会も布袋戯ファンを多く引き付けたと説明した。洪館長は、「文化資産の公共化」こそ西田社布袋戯基金会がこれら文物を寄贈する際に再三訴えた目標だとし、全8巻の出版を予定するこの双書でこれら文物の研究成果を示せるよう希望した。
 
文化部の陳主任秘書は、民間がこれほどくまなく人形を収蔵していたことは台湾文化にとっての幸運であり、国立台湾博物館は引き続きこれら寄贈された文物の研究と保存に努めていくと述べた。そして、今回の双書が文化部による「台湾芸術史再建プロジェクト」のサポートを受けたものであることに触れ、こうした出版物が同プロジェクト展開の第一歩となるよう希望した。
 
 

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