台湾の先住民族行政を担当する中央省庁、原住民族委員会は12日、国家図書館(台湾北部・台北市)カンファレンスホールにて、「2023年オーストロネシア諸語活性化交流フォーラム」を開催した。ニュージーランド、カナダからも代表を招き、各国のオーストロネシア諸語に関する政策内容や発展状況について、幅広い議論や意見交換が行われた。
国連は2022年から2032年までを「先住民言語の国際の10年(The International Decade of Indigenous Languages)」と定め、先住民言語の保護に関する活動を推進している。国連は2016年、国際連合総会における先住民問題に関する国連常設フォーラムの決議に基づき、2019年を「国際先住民言語年」とすることを宣言した。台湾では、「先住民族言語発展法」が 2017 年 6 月に、公布、施行された。今回のフォーラムでは、3カ国の先住民言語に関する包括的な議論、交流が行われた。
原住民族委員会の夷将・抜路児(Icyang・Parod)主任委員(大臣)は、「先住民族言語発展法の施行により、先住民言語の保護、伝承、普及、研究を推進する義務が国に与えられた。今年のフォーラムのテーマは、『各国の言語政策の発展』。カナダ言語博物館とニュージーランドのマオリ語活性化委員会の代表を招き、言語政策について特別協議を行った。先住民族の言語の喪失に関して各国が推進する様々な言語活性化策を聞くことで、あらゆる分野の人々が関連する経験を学べ、言語の活性化を促進するための参考となる」と語った。
今回のフォーラムの参加者は発言の際、大部分が母語を使用した。異なる言語背景を持つ参加者が他の言語を理解できるように、中国語、英語、アミ語、パイワン語、タイヤル語、ブヌン語、タロコ語の7言語による同時通訳が実施された。