12日から初めて欧州を訪問している史哲文化部長(=文化大臣)が13日、外遊の主要目的の一つである駐チェコ代表処(正式には駐チェコ台北経済文化弁事処)の文化組(部)開設に伴うプレートの除幕式を執り行った。史文化部長は、駐チェコ代表処の文化組が中欧(中央ヨーロッパ)において台湾文化の普及に取り組む唯一の新たな組織であることを指摘、文化組を台湾と中欧の芸術及び文化交流の運営本部と位置づけ、チェコを中心に中欧諸国との芸術・文化面での結びつきを広げ、深めていく考えを示した。
除幕式にはチェコ上院のミロシュ・ビストルチル(Miloš Vystrčil)議長、Jiří Drahoš第一副議長、チェコの国立博物館のMichal Lukeš総館長、国立技術博物館のKarel Ksandr総館長、チェコ文化省国際関係・EU(欧州連合)局のPetr Hnízdo局長、チェコ大統領府文化プログラム主任のVeronika Wolf氏ら、政界ならびに芸術文化界の要人がこぞって出席した。
ビストルチル議長はチェコ側を代表して行ったスピーチの中で、「我々は正しいことをしなければならない」と述べ、駐チェコ代表処文化組の設置及びプレートの除幕はチェコと台湾が下した正確な判断であり、両国の文化的な深みの象徴でもあるとする見方を示した。そして、民主と自由、文化と多元性といった共通の信念の下、台湾とチェコ双方の友情は必ずやいっそう揺らぐことなく素晴らしいものになるであろうと語った。
史文化部長は、チェコの文化的な歴史と伝統は大変豊かで、絵画、彫刻、文学、音楽などの芸術分野で傑出した成果を挙げていると称える一方、台湾も地理的位置や歴史的要素により多元的かつ深い文化を育んできたほか、台湾の独特な風格を形成してきたと説明、「両国は遠く離れているにもかかわらず、民主と自由を追求して来た共通の経験とプロセスを有しているため、どちらも多元的な文化の価値を尊重するという同じ姿を見せている」と述べて双方の共通点を指摘した。史文化部長はそして「多元的な文化交流こそ民主主義の具体的な実践である」とし、文化組の設立により台湾とチェコが精神と文化の面でいっそう緊密な関係を築けることを期待した。
除幕式が終わると史文化部長はビストルチル議長による案内の下、上院の入っているヴァルトシュテイン宮殿を参観し、同議長から上院の歴史や実務の状況、政治体制などについての説明を受けた。さらに、かつて訪台した際に「自分は台湾人だ」と宣言したビストルチル議長はその後、史文化部長をバーに誘い、チェコの人々の愛するビールで乾杯、台湾の友人に対する心からの友情を表現してみせた。