クリエイティブ産業の展覧会「2023台湾クリエイティブ・エキスポ」(中国語表記は「台湾文博会」)が1日に閉幕。台北市内に設けられた5つのメインエリアには最終日、展示物を見たり、デザインプロダクトを購入したりする人がつめかけた。開催期間中の来場者はこれまでの記録を塗り替え、延べ60万人に達したほか、業界関係者3,000人以上、海外バイヤー50人以上、海外の専門家100人近くが参加し、国内外のバイヤーとの1対1のマッチング商談会も500回以上行われた。昨年、こうした商談会による契約金額は10.7億台湾元(約49億日本円)だったのに対し、今年は11億台湾元(約50億日本円)を上回るものとみられている。
「台湾クリエイティブ・エキスポ」を主催した文化部(日本の省レベル)の史哲部長(=大臣)は、来年の「クリエイティブ・エキスポ」が台湾南部・台南市で開催されることを予告。来年は台南にオランダ人がゼーランディア城(「安平古堡」とも。台湾最古の城堡)を建設してから400年の重要な年だとし、全国の人たちが台南市を訪れて、「自国の歴史に関する必修科目」を学ぶよう呼びかけた。
史文化部長は、「台湾クリエイティブ・エキスポ」は2022年(台湾南部・高雄市で開催)から台北市とその他の県・市で順番に行うことにしており、来年は台南市に会場を移すと説明。来年は台湾が世界地図へと歩み出した1624年から満400年の年で、「台湾が自らの歴史、生い立ちを振り返る重要なチャンスになる」と語った。
メインエリアのうち花博公園争艶館ではIP(知的財産)ライセンスを持つ企業のコンテンツが展示され、イラストやデザインアート、オリジナルキャラクター、ライセンスが集結。それぞれのブランドには強力なファンが大勢いて、関連の商品を購入する人たちが連日長蛇の列を作った。とりわけ9月30日にIPライセンスの会場を訪れた人は延べ4.7万人を超え、「台湾クリエイティブ・エキスポ」が2010年に始まって以来、IPライセンス会場の1日の来場者として過去最高を更新した。
文化部によると、今年の「台湾クリエイティブ・エキスポ」における「クリエイティブ」と「IPライセンス」に出展した企業は540社以上。新型コロナウイルス以降の文化クリエイティブ産業に関する見本市としては最大の規模となったほか、スタートアップ企業の参与も従来から大幅に増えた。さらに日本のキャラクターブランド・ライセンス協会が関連業者13社と共に来台。タイ、香港、マカオ、マレーシア、韓国、オランダなどの業者も出展し、各国の関係者が集い交流した。
海外からは文化部と文化内容策進院(台湾クリエイティブ・コンテンツ・エージェンシー)が協力した結果、香港、日本、韓国、タイ、マレーシア、米国、デンマーク、イギリス、フランス、スイスの10カ国・地域から50人を超えるバイヤーを招くことに成功。また海外の専門家100人近くも参加、メイン会場のうち花博公園争艶館、華山1914文創園区、松山文創園区では国内外のバイヤーと1対1のマッチング商談会が500回以上開かれた。