台湾漫画と芸術の創作活動及び国際交流を後押しするため、文化部(文化省)は2022年から日本の北九州市と協力、毎年2人の漫画家を選抜して北九州市でのアーティスト・イン・レジデンス事業に送り込んでいる。アーティスト・イン・レジデンスとはアーティストが現地で生活しながら創作活動を行うこと。今年度は漫画家、硝子さんとMNさんの創作計画が審査で選ばれた。2人は11月に訪日して1カ月間のアーティスト・イン・レジデンス活動に取り組む。
硝子さんは元ゲーム会社の美術デザイナー。現在はフリーランスのイラストレーターならびに漫画のアシスタントとして創作活動を行っている。ストーリーのある短編漫画に長け、作品には同人誌としての『魔王家』、『大姨媽百科』のほか、鹿言工作室と協力してボードゲームと同時進行で創作した『羽人図録』などがある。今回のアーティスト・イン・レジデンス計画では少なくとも16ページの白黒短編漫画『漫画、歴史、北九州市』と、同名のカラーイラスト2点を描き、北九州市の著名人にまつわる史跡などを紹介することになっている。
MNさんはフリーランスの漫画家で、『観景窓内不聚焦』、『無声信箱』、『啵啵起司』シリーズなどの作品がある。柔らかな色彩と日常対話によって進行する漫画とインスタグラムのストーリー機能を活用することが得意。今回のアーティスト・イン・レジデンス計画では合計24ページから36ページを使って6作品を制作。またSNSで作品や現地の写真、動画をリアルタイムで配信し、今回のアーティスト・イン・レジデンス計画の内容を記録することにしている。