内政部はこのほど台湾人の苗字や名前についての統計、分析を一冊にまとめた『全国姓名統計分析』を発表した。今年は初めて、同じ音の漢字を2回使う重ね字の名前についての統計もまとめた。重ね字の名前を使う人は全国に6万7,571人。そのうち男性は1,220人(1.81%)、女性は6万6,351人(98.19%)と女性が圧倒的に多いことが分かった。男女別のトップ3は、女性が「婷婷(ティンティン)」(4,536人)、「玲玲(リンリン)」(3,834人)、「莉莉(リーリー)」(3,735人)、男性は「彬彬(ビンビン)」(55人)、「安安(アンアン)」(49人)、「明明(ミンミン)」(45人)だった。
よくある名前:男性は「家豪」、女性は「淑芬」が今年もトップ
台湾で最も良く使われている名前のトップ3は、男性が家豪(1万4,038人)、志明(1万2,719人)、建宏(1万2,196人)、女性が淑芬(3万1,879人)、淑惠(3万420人)、美玲(2万7,487人)の順だった。ちなみに、男性の「家豪」は2012年以降、女性の「淑芬」は2010年以降、1位を独走している。
男の子は「恩碩」、女の子は「品妍」が若い世代に人気の名前
時代によって台湾で好まれる名前にも変化がみられる。例えば民国100年(西暦2021年)以降は、男の子なら「承恩」、「宥廷」、「品睿」、女の子なら「品妍」、「子晴」、「詠晴」が人気の名前だったが、民国110年(西暦2021年)以降は男の子の人気1位は「恩碩」、女の子の人気1位は「品妍」に変化。ほかには「宥廷」、「子睿」、「苡菲」、「雨霏」などの名前も人気だ。
台湾で最も多い姓は「陳」
2023年6月30日時点で台湾の総人口は2,337万3,283人。そのうち、いわゆる「十大姓」と言われるのが人口が多い順に「陳」、「林」、「黄」、「張」、「李」、「王」、「呉」、「劉」、「蔡」、「楊」で、これらが総人口の半数以上、52.79%を占めた。そのうち人口の減少が最も多かったのは「黄」姓で、前回調査(2018年)より2万3,980人減少。10大姓のうち最も人口減少が少なかったのは「蔡」姓で、2,186人の減少だった。
2023年現在、台湾の姓は1758種類
2023年の現時点で、台湾には1,785種類の姓が存在することが判明した。そのうち漢字1文字の「単姓」は1,667種類、人口にして2,333万7,790人を占めた。一方、漢字2文字かそれ以上の「複姓」は118種類あり、人口にすると2万7,404人だった。これには先住民族の名前を漢字で表記したものや、海外の姓を音訳したケースなども含まれている。
母親の姓を選ぶ人が増加傾向
「ジェンダー平等」の普及を目指す台湾では、2007年5月23日の「民法」改正により、生まれた子どもの姓を必ずしも父親と一致させる必要がなくなり、父親の姓にするか母親の姓にするかを夫婦が話し合って決められるようになった(台湾は夫婦別姓)。統計によると、2012年から2022年までの10年間で、母親の姓で届け出を行った新生児の比率は3.83%から5.44%に上昇した。これは、ジェンダー平等の観念が台湾の人々の間で徐々に受け入れられていることを意味している。
内政部の『全国姓名統計分析』の全文(PDF)は下記のURLからダウンロードすることができる。
https://www.ris.gov.tw/documents/data/5/2/112namestat.pdf