日本の外務省が実施する第17回日本国際漫画賞の受賞作リストが26日に発表され、台湾の漫画家、簡嘉誠さんの『青空下的追風少年(青空のもと、風追う少年)』が応募作品587点の中から最優秀賞に選ばれた。また、林奕辰さんと清水さんもそれぞれ『二零七之骨(207番目の骨)』、『友絵的小梅屋記事簿2(友恵の小梅屋おぼえがき)』で入賞した。台湾の漫画家が最優秀賞に輝くのは第14回の韋蘺若明さん以来。文化部(日本の省レベル)の史哲部長(=大臣)は、台湾の漫画家は近年、大規模な国際漫画コンテストで受賞を重ねており、特に「漫画大国」の日本でも毎年、台湾の漫画家が好評を得ていると称賛した。
最優秀賞に選ばれた『青空下的追風少年』は、漫画家の簡嘉誠さんが国家発展委員会檔案管理局(公文書管理局)、出版社の蓋亜文化有限公司と協力して制作した最新の力作。檔案管理局の保管する公文書のうち文化部が重要資料と指定する「台湾檔案」(台湾ファイル)を創作の素材に取り上げた。第二次世界大戦末期を時代背景に、台湾と日本の二人の少年が徒競走を通じて出会う。二人は闘志を胸に蒸気機関車と速さを競い、日本の陸上競技の歴史に名を残そうと夢見る。「台湾檔案」の中に眠り、人に知られてこなかったこのエピソードが漫画家の手を通して読者の目の前によみがえった。
入賞作品の『二零七之骨』はある呪いをかけられた「奇独」家の娘が家族を縛る伝統から抜け出し、死の運命を免れるかどうかが描かれる。同じく入賞の『友絵的小梅屋記事簿2』は、日本統治時代(大正時代)の台北を舞台に、著名な料亭「小梅屋」の三代目、女子高生の友絵が美食を追求する物語。
日本国際漫画賞は日本の外務省が主催。目的は世界に漫画文化を広めることで、今年で17回目。今回は82の国と地域から587点の作品が集まった。最優秀賞1作品、優秀賞3作品、奨励賞2作品、入賞9作品の計15作品が選ばれた。授賞式は来年3月に行われる予定。