文化部所管の独立行政法人で、台湾の文化コンテンツの海外発信に取り組む文化内容策進院(TAICCA、日本での名称は台湾クリエイティブ‧コンテンツ‧エイジェンシー)と台湾のアニメ制作会社である翔英融創は3月29日、読売テレビの子会社である読売テレビエンタープライズ(YTE)及び映画製作・配給のアスミック・エース株式会社の2社とそれぞれ業務提携に関する覚書(MOU)を締結した。製作委員会の組織を通して、台湾オリジナル(IP)のコンテンツの国際化を目指す。
読売テレビの子会社で1970年に創業した読売テレビエンタープライズ(YTE)は、主に読売テレビのテレビ番組やイベントの企画・制作・広告・販売・管理、それらに関する音楽出版などの業務を行っている。また、アニメーションを含む映像コンテンツへの投資も行っており、ホラー漫画家の伊藤潤二氏の作品をTVアニメ化した「伊藤潤二『コレクション』」や、「本好きの下剋上」、「ヤマノススメ」などの制作に関わっている。アスミック・エースは創業40周年を迎えた映画製作・配給会社で、アニメ「犬王」や「すみっコぐらし」など映画、アニメーション、ゲームコンテンツを手掛けている。
翔英融創が発表したところによると、同社とTAICCAは日本の読売テレビエンタープライズとアスミック・エースとのMOU締結を通して、台湾発のオリジナルコンテンツの海外市場開拓のため、アニメ制作の資源投入、産業技術の導入、人材交流などに取り組む。
また、TAICCAが発表したニュースリリースによると、翔英融創と読売テレビエンタープライズは、「台湾発のオリジナル漫画やアニメーション作品」について、資源、マーケティング、技術、人材など、それぞれの得意分野を投入する。具体的には、TAICCA、読売テレビエンタープライズ、翔英融創の3者が共同で潜在能力を持つ作品について評価を行い、製作委員会の組織を通してアニメーションの開発に取り組む。その後、読売テレビエンタープライズと翔英融創が、アニメーション制作の準備作業を請け負う。
TAICCAの盧俊偉院長は、「TAICCAは仲介役として台日のコンテンツ産業連携を促進するプラットフォームとなりたいと考えている。将来的には台湾と日本が作品を共同で製作するだけでなく、より多くの海外の業者も巻き込んで協力の範囲を拡大させたい。今回は製作委員会の組織を通して台湾と日本による共同出資、共同製作のスキームを作り、台湾オリジナル・コンテンツの海外市場でのプレゼンスを高めていきたい」と意気込みを示した。
読売テレビエンタープライズの薮下維也常務取締役は、「台湾企業との協力を通して、日本の視聴者により多くの素晴らしい台湾オリジナルのアニメーション作品を届けたい」とコメント。アスミック・エースの牟田口新一郎社長も「台湾のオリジナル・コンテンツには高い関心と自信を持っている。台湾と日本は一貫して友好的な関係にある。この協力を通して、人々をワクワク、ドキドキ、愉快にさせるアニメーション作品を開発したい」と述べた。