2025/05/02

Taiwan Today

文化・社会

蔡総統がTSMCの創業者モリス・チャン氏に「中山勲章」を授与

2024/04/22
蔡英文総統(右)が19日、TSMCの創業者、モリス・チャン氏(中央)に「中山勲章」を授与し、チャン氏が台湾は信頼するに足るパートナーであることを世界に知らしめたことに感謝した。左はチャン氏の妻。(総統府サイトより)
蔡英文総統が19日、世界最大の半導体ファウンドリ、TSMC(台湾積体電路製造股份有限公司)の創業者、モリス・チャン(張忠謀)氏に「中山勲章」を授与し、チャン氏が蔡総統の代理として6度にわたり、APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議に参加したこと、ならびに台湾が能力を持ち、信頼し、提携するに足るパートナーであることを世界に知らしめたことに感謝した。
 
蔡総統は19日午前、総統府においてTSMCの創業者、モリス・チャン氏に「中山勲章」を授与した。式典には次期総統の頼清徳副総統、次期副総統の蕭美琴氏、米国の対台湾窓口機関・米国在台協会台北事務所(AIT/T)のサンドラ・オウドカーク所長らが立ち会った。総統府の公式ウェブサイトによると、「中山勲章」は「大計を立て、国を安定させ、中枢を助け、災難と変乱を治めた者、ならびに建国に特殊な殊勲のある者」に与えられる。
 
蔡総統は叙勲にあたり、6年前に同じく総統府でチャン氏に「一等卿雲勲章」を贈り、台湾のハイテク産業及び経済成長に対するチャン氏の貢献に国を代表して感謝したこと、そしてチャン氏が技術とイノベーション、情熱を以って世界に台湾を認識させたことに感謝したことに言及。その上で、国家元首以外に与えられる勲章として最高位の「中山勲章」をチャン氏に贈り、チャン氏が自身に代って6度にわたり、APEC首脳会議に参加してくれたことに感謝した。
 
蔡総統は、「チャン氏だったからこそ台湾の半導体産業は世界レベルの産業に成長した。チャン氏がAPECに参加してくれたからこそ、台湾は能力を備え、信頼と提携に足るパートナーであることを世界に知らしめ、『中華民国台湾は軽視できない存在だ』とわからせることが出来た」とその功績を称えた。
 
チャン氏は受勲後のスピーチで、「39年前、自分にとってTSMCは偉大な半導体企業を創業したいという個人的な志と、半導体企業をサポートしたいという政府の意向の二つが奇跡的に寄り集まったものだった」と説明。その上で、TSMCは最初の30年間、自由貿易の環境下でぐんぐん成長し、繁栄した一方、近年はグローバリゼーションが課題に直面しており、TSMCのトップには世界の市場で公平な競争を可能にする高度な知恵が求められると指摘した。
 
さらにチャン氏はTSMCが向き合う課題として、土地、水、電力、人材などのリソースを挙げ、「これらの面では政府と各界による継続的なサポートが必要だ」と訴えた。チャン氏はそして、「TSMCの全社員が現在のトップの下でこれからも一致団結し、共通の目標に向かって数々の挑戦を乗り越え、再び奇跡を生み出すと共に台湾のため最大の貢献を果たすことを心から信じているし、期待している」と語った。
 
 

ランキング

新着