台湾の映像コンテンツの国際化を推進し、且つ台湾と日本のエンタメ分野の交流と協力を引き続き促進するため、テレビ局「三立電視(SET)」などを傘下に抱える三立グループは、台湾の芸能人7人が台湾東部・花蓮からカヤックを漕いで、260㎞離れた石垣島(沖縄県)を目指すリアリティー番組「上船了!各位」など、複数のコンテンツを日本と共同製作することにしている。三立グループは4月29日、「『転動台湾 映視出海』-台日影視交流合作発表会」と題する記者会見を開き、これらの企画について詳しく説明した。記者会見には、文化部の史哲部長(=文化相)、海洋委員会の管碧玲主任委員、台湾の対日本窓口機関である台湾日本関係協会の蘇嘉全会長、台湾における日本大使館に相当する日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表らが参加した。
台湾の三立(SET)と華視(CTS)、それに日本の極東電視台(東京都港区)が共同で制作するリアリティ番組「上船了!各位」は、胡宇威さん、雷艾美さん、郭泓志さん、蔡昌憲さん、KID(林柏昇)さん、瑞瑪席丹さん、鍾瑶さんという7人の芸能人が、台湾東部・花蓮から約60時間ノンストップでカヤックを漕ぎ続け、260㎞離れた日本の石垣島を目指すというもの。ロケは6月に行われ、「三立都会台(SET Metro)」で7月20日から毎週土曜午後8時に、「華視主頻(CTSメインチャンネル)」では7月27日から放送する。
記者会見に出席した海洋委員会の管碧玲主任委員は、「上船了!各位」のロケには海洋委員会海巡署(日本の海上保安庁に相当)が協力し、安全のための警護に当たることを明らかにした。
三立グループの高明慧総経理は、同グループは創業以来30年間、さまざまな映像コンテンツを世に送り出してきたとした上で、ここ1、2年は台湾と日本の交流が非常に活発で、昨年日本を訪れた台湾人旅行客の日本での消費額は1,700億台湾元(約8,200億日本円)に達したほか、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場設置などもあり、旅行産業や半導体産業からメディア産業に至るまで、三立グループとしてもこの流行に乗って、日本とさらに交流や協力を深めていきたい」と意気込みを見せた。
台湾日本関係協会の蘇嘉全会長は、カヤックで台湾東部から日本の石垣島を目指すという企画は、非常にハードルのたかいチャレンジだとした上で、三立グループの撮影チームが日本入りするときは、現地の自治体のトップや、石垣島でビジネスを行っている台湾人ビジネスマン、石垣島に住む台湾の人々などに声を掛けて盛大に歓迎できるように手配したいと述べた。
日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表は、「この企画は非常に困難を伴うものだ。参加する人たちの意志と熱意に敬意を払う。チームが石垣島に到着したときは、日本の人々が待ち受け、皆を熱烈に歓迎するだろう。この番組を通して、日本と台湾の関係と交流がより深まるよう期待している」と述べた。