2025/07/17

Taiwan Today

文化・社会

パリでの「ニュイ・ブランシュ」に初めて台湾の演目、代表処前に1万人近くが集う

2024/06/04
台湾のクリエイターによるモーショングラフィックスがパリの「ニュイ・ブランシュ」に加えられ、駐フランス台北代表処の建物壁面を用いて行われた上映を約1万人が観賞した。(文化部サイトより)
文化業務を担う省庁・文化部のフランス出先機関である文化部駐フランス台湾文化センターが設立30年のため準備したモーショングラフィックス『Tsiò醮』がパリ市の「ニュイ・ブランシュ(白夜祭)」のイベントに加えられ、6月1日(現地時間)に駐フランス台北代表処の建物壁面を利用して行われた上映には午前3時になっても観客が詰めかけるなど1万人近くが観賞したという。
 
文化部の李遠部長(=大臣)は、台湾のクリエイティビティが初めて「ニュイ・ブランシュ」の発祥地・パリで公式なイベントとして認められたことは非常に意義深いと説明。今年の「ニュイ・ブランシュ」はパリオリンピックのため例年より早い開催となっており、李文化部長は、こうした中で台湾が「ニュイ・ブランシュ」に参加出来たことは、パリでの芸術や文化の動きと結びつくことを可能にしたほか、全世界の目がパリに集まる中で台湾文化の深みと豊富な活力を示すことにもなったと評価した。
 
文化部が発表したプレスリリースによると、パリでの「ニュイ・ブランシュ」参加は台湾にとって初。『Tsiò醮』(「醮」は道教の儀式の意味)は台湾の廟宇(神社仏閣)、線香、神輿、「光明燈」(幸福を願う灯り)、「擲筊」(ポエ占い)、「八仙彩流蘇」(色とりどりの房状の装飾品)などを光と音で表現し、観衆を「廟宇」での瞑想に誘うほか、「鹽水蜂炮」や「焼王船」など台湾各地で行われる伝統行事のイメージに没入させる。
 
文化部によると、『Tsiò醮』は総統創新奨(賞)を受賞したばかりのBito甲蟲創意有限公司の劉耕名監督とそのチームが手がけたもの。芸術的な手法で駐フランス台北代表処の建物に、漂って動く灯籠と天燈(スカイランタン)、神の歩み、縁日での線香やポエ占い、四方にはじめる花火と爆竹といった、台湾の神社仏閣の色彩とにぎやかな雰囲気を再現した。
 
劉耕名さんは、「道教の儀式は台湾の人々にとって平安を祈り、一緒ににぎやかに過ごす日常的な姿であり、自分はしばしば感動する。今回はパリ市が『見逃せない演目』と評価してくれた。世界により多くの平安と癒しをもたらせること、そしてその願いをより多くの人たちに届けられることを希望する」と語った。
 
文化部駐フランス台湾文化センターの胡晴舫主任は、同センターの設立30周年にパリ市と手を携えて「ニュイ・ブランシュ」を実施できたこと、また、フランス「アヴィニョン演劇祭」の自主参加部門「アヴィニョン・オフ(Avignon Off)」で台湾が同イベントが初めて設けるテーマ国となることを指摘、「この流れを生かし、引き続き欧州各地に台湾文化の足跡を広げていく」と意気込んだ。
 
 

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