2025/06/16

Taiwan Today

文化・社会

豪のシドニー・ビエンナーレが最終週に、台湾は芸術で世界と交流

2024/06/07
駐シドニー台北経済文化弁事処文化組が今年、豪で最大級の国際現代芸術展「シドニー・ビエンナーレ」と協力し、台湾の芸術家2人を同展覧会に参加させた。写真は李俊陽氏の長さ10メートルに及ぶ大作絵画『廟會交陪仙仙仙』。(文化部サイトより)
駐シドニー台北経済文化弁事処文化組(文化業務を担う省庁・文化部の出先機関)が今年、オーストラリア最大級の国際現代芸術展「シドニー・ビエンナーレ(Biennale of Sydney)」と協力し、台湾の先住民族の芸術家、宜徳思・盧信(IdasLosin)氏と李俊陽氏を参加させた。文化部が「シドニー・ビエンナーレ」と提携して台湾の芸術家を同展覧会に送り込むのは2度目。「シドニー・ビエンナーレ」は今年3月から行われており、今月10日に閉幕する。最終週の4日、展示場の一つ「Artspace」では台湾にフォーカスした李俊陽氏の展示が行われた。
 
「シドニー・ビエンナーレ」のバーバラ・ムーア(Barbara Moore)CEOは宜徳思・盧信氏から贈られたタイヤル族の伝統的な織物のマフラーを首にかけてスピーチ。ムーアCEOは、今回のビエンナーレは3月の開幕以来、3カ月で延べ60万人を超える人が参観したと説明し、文化部、駐シドニー台北経済文化弁事処、及び台湾の芸術家がこの文化イベントに参与してくれたことに感謝した。
 
駐シドニー台北経済文化弁事処の呉正偉処長は、台湾の芸術はアジア太平洋地域及び西洋文化と融合し、伝統と現代を兼ね備えながら台湾社会の包摂性を表現していると指摘、「これらの特色は李俊陽氏の作品に現れている」と説明した。また、この日が1989年に中国の北京で起きた天安門事件からちょうど35年にあたることから、「大勢の人がここに集まっているのは、言論の自由、芸術の自由、個人の意思の自由を伝えるためだ」と強調した。
 
李俊陽氏は今回作品2点を出展した。1点は長さ10メートルに及ぶ大作絵画『廟會交陪仙仙仙』で、もう1点は竹を切断したものを頭、手、胴体、足にして組み合わせた12人の人形で構成された『竹節戲偶剣客系列』。
 
健康問題でシドニー入りできなかった李俊陽氏はビデオメッセージを寄せ、創作の課程を来場者に紹介した。動画の中で李俊陽氏は家族が映画の看板や廟宇(神社仏閣)に描かれる絵に携わっていたことを指摘、自身は「絵画と芸術の才能を受け継いだことになる」と述べた。このほか、台湾南東部・台東県で生まれ、東部・花蓮県の集落で育ったことから、幼少期より異なるエスニックグループと共に学び、様々な言語に接して来たことなどが自身の芸術創作に影響を与えていると解説した。
 
『廟會交陪仙仙仙』は、李俊陽氏が2016年に台湾のキュレーター、龔卓軍氏の手配で台湾南部・台南市佳里区の「糖廠蕭壠文化園区」で3カ月間のアーティスト・イン・レジデンス活動を行った際に完成させた作品。台湾の「廟会」(縁日)や儀式、漢民族と先住民族の文化、東洋の基本的な要素といった様々な生活の姿の積み重ねのほか、地獄や山と海のイメージを加えて描き上げた作品で、台湾の宗教儀式、視覚言語の記号を整理したものだという。
 
 

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