日本の東京で6日、文化部の駐日台湾文化センターと台湾文学館の共催による「飽読食書―台湾珍味文学展(”おいしい”本を心ゆくまで—台湾珍味文学展)」が始まった。この展覧会では、台湾の作家20名による美食の描写の日本語訳などが展示され、台湾のバラエティに富んだ食のありかたとこれを描写した表現に触れることで、台湾のユニークな文学と作家を知ることができるものになっている。初日の6日には台湾文化センターで開幕記者会見が開かれ、展示された翻訳書の翻訳者や出版社の代表が出席。まもなく8年の任期を終え台湾に帰国する台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表(=駐日大使に相当)も会場を訪れ、展覧会の成功を願った。
謝長廷代表はあいさつで、今回のイベントへの出席を、自らの任期の締めくくりとすることができるのは大変喜ばしいことだと語った。台湾文化センターと台湾文学館が協力して、文学と美食を組み合わせ、作家の筆遣いを通じてその美食一つひとつを日本の人々に伝え、日本の皆さんが台湾の美食を通じてさらにより多くの台湾の作家の作品を知るきっかけになってほしいとの願いを語った。また、交流の一つひとつが素晴らしい縁となる可能性を持っていると信じており、これも「善の循環」が広がる草の根であり、日本の友人による台湾への助力に感謝し、このように「善の循環」が止まることなく末永く続くことを願うと述べた。
今回の展覧会は「文学辦桌12道(文学宴席料理12選)」、「飲食日常(食の日常)」、「体験風土滋味(風土の味わいを楽しむ)」などのコーナーに分かれている。「文学辦桌12道」では比較的日本の人々に親しまれている又は台湾の文化を代表する料理が主となっており、台湾の庶民の間で親しまれている伝統的な宴席文化をコンセプトに、円卓や樹脂製の椅子などを使い、庶民的な宴席の雰囲気を作り上げているほか、壁面にはマンゴーかき氷、麺線、ルーロー飯(滷肉飯又は肉臊飯)、金門コーリャン酒、牛肉麺、揚げ物、肉圓(肉の餡をイモのでんぷんで包んだ丸餅状のもの)、ワタリガニのおこわ、魚料理、大腸糯米(大腸にもち米を詰め蒸したもの)、お粥、ショーロンポーなどの料理を紹介するとともに、これに関連する記述の抜粋や作家の紹介が展示されている。
「飲食日常」では、食に関連する台湾の文学作品8点を取り上げる。中文の書籍の展示に日本語の紹介を添え、今後さらに台湾文学が各国語に翻訳されるよう期待が込められている。「体験風土滋味」では、台湾文学館から出版された漢詩の絵本や、経済部(日本の経済産業省に相当)商業発展署による台湾料理を紹介する映像を通じて、伝統的な漢詩と新しい創作台湾料理を紹介する。また、パンフレットやそれぞれの料理のシールを利用して、来場者が自分だけのコース料理をアレンジすることもできるようになっている。
この展覧会の会場は台湾文化センターで会期は8月30日まで。7日には誠品生活日本橋店と共同で、阿霞飯店の呉健豪料理長を招いてワタリガニのおこわが用意され、今回展示される書籍を紹介しながら展覧会をアピールした。