2025/06/19

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文化・社会

台湾の米アカデミー賞出品作品、今年は『オールド・フォックス 11歳の選択』に

2024/08/16
文化部が14日、米国の第97回アカデミー賞外国語映画賞には蕭雅全監督の『老狐狸』(邦題:オールド・フォックス 11歳の選択)を出品することが決まったと発表した。写真は同作品のポスター映像。(文化部サイトより)
文化行政をつかさどる中央省庁・文化部が14日、文化部影視及流行音楽産業局(映画・テレビ・流行音楽産業局)による選考会議の結果、米国の第97回アカデミー賞国際長編映画賞(外国語映画賞)には蕭雅全(シャオ・ヤーチュエン)監督の『老狐狸』(邦題:オールド・フォックス 11歳の選択)を出品することが決まったと明らかにした。同賞には毎年各国から1作品だけ出品できる。
 
文化部によると、文化部影視及流行音楽産業局は中華民国電影戯劇協会の委託を受けて出品作品の選考作業を行った。選考に応募した国産映画は14作品。選考会議の議論の結果、『老狐狸』が多数決で今回の出品作品に決定。推薦の理由については、「1980年代末期の台湾社会の変化、経済的な衝撃の下での人々の階級に関する寓話である。思想からストーリー、構成、生活の細部の描写を通じて人間性を深く解き明かす作品」と説明している。
 
『老狐狸』は蕭雅全監督自身の少年時代での戸惑いから発想を得た作品。時代背景は1989年、平均株価が史上最高値を記録した年代で、台湾での貧富の差が徐々に開きだした時期である。10歳の少年の目から、年長者との生活上の衝突を描き、少年の心の葛藤を通じて人間性と世渡り、善良さの間の価値と是非を弁別する。1980年代の雰囲気を再現し、当時の社会に対する蕭監督なりの回答を示す。題材と映像は作品の描く心情とメッセージを存分に伝えている。
 
『老狐狸』は昨年(2023年)の第60回ゴールデンホース・アワード(金馬奨)で最優秀監督賞、助演男優賞、衣装デザイン賞、作曲賞を受賞。今年はさらに第26回台北フィルムアワード(台北電影奨)の最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀衣装デザイン賞、最優秀撮影賞、最優秀脚本賞を受賞しており、この二つの賞(第60回金馬奨・第26回台北電影奨)で最も多くの賞を受けた国産映画になった。今年になってからは香港国際映画祭、韓国のプサン国際子ども映画祭、イタリアのウーディネ極東映画祭コンペティション部門、米国のサンディエゴアジアン映画祭など、アジア、欧州、アメリカ大陸の重要な映画祭に招かれており、作品の国際的な露出を強めると同時に、異なる地域の観客に観てもらえるようになっているという。
 
 

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