文化行政を担う中央省庁・文化部のサポートと駐ドイツ台北代表処文化組(部)の企画により、厳淑女氏と張又然氏が共同制作した絵本《春神跳舞的森林》のドイツ語版が第24回ベルリン国際文学祭(Internationales Literaturfestival Berlin)の青少年部門に参加、一連の「台湾文学サロン」活動がスタートした。駐ドイツ台北代表処文化組を通して台湾の作家、平路氏、鄧九雲氏、馬翊航氏、漫画家の小荘(荘永新)氏らが「台湾文学サロン」をブランドにした様々なイベントに参加する。イベントは9月15日から10月24日まで、ドイツの東西6都市で12回を上回る交流プログラムが予定されており、台湾の作品をドイツにおける大小の都市の読者たちに届ける。
絵本作家の張又然氏は多くの作品で自然景観を基調とし、細やかなタッチが特徴。歴史や文化の素材をからませる手法で読者に深く愛されている。張氏の作品がドイツ語訳されてドイツで出版されるのは《藍色小洋装》に続いて2度目。《春神跳舞的森林》は2001年の「ボローニャ国際児童図書展」(イタリア・ボローニャ)における「ボローニャ国際絵本原画展」に入選。2003年には教育部(日本の文部科学省に類似)の「原住民文化教育絵本奨(賞)」で「甲」に、そして2003年に中国時報の「開巻好書展」で最優秀児童図書賞に輝いた。
現在、ベルリンで「アーティスト・イン・レジデンス計画」に取り組んでいる作家の鄧九雲氏、馬翊航氏、漫画家の小荘氏は文化内容策進院の招きに応じてフランクフルト・ブックフェアでの台湾パビリオン活動に参加するほか、10月11日には駐ドイツ台北代表処文化ホールで朗読会に参加する。10月24日には作家の平路氏と国立政治大学欧州言語学科の徐安妮教授が同文化ホールで《山胞與奸細-台湾当代短編小説選集》の解説を行う。
小荘氏は「金漫奨(賞)」など数々の賞に輝いた《80年代事件簿》のドイツ語版を2015年に出版。10月11日にベルリンで朗読会を行うほか、ベルリン文学学会の手配の下、22日にはトリーア、24日にはボーフムで講演。1980年代の東西ドイツ統一前、東ドイツの若者が街頭デモを行った歴史と結び付けて《80年代事件簿》及び新作の《潮浪群雄》を紹介する。
作家を主役に据えたイベントのほか、9月22日には謝志偉駐ドイツ代表(=大使)がポーランドとの国境の町、ゲルリッツ市での「台湾デー」活動で、同市内にある二つの図書館に図書を寄贈、台湾をテーマにした蔵書を充実させることになっている。