国立故宮博物院南部院区(台湾中南部・嘉義県)が琉球王朝にまつわる文物を展示する特別展「万国津梁・東アジア海上の琉球」(9/7-12/1)の開催に続き、5日から「2024故宮亜洲芸術節-日本沖縄月(Month of Okinawa, Japan)」をスタートさせた。入館者に知性の角度から改めて沖縄文化を認識させる。開催は1カ月間で、沖縄をテーマにした展示のほか、琉球の服装体験、テーマ別の講座、沖縄にまつわる映画の上映会、舞台芸術、ゲーム、沖縄の服装で集うパーティーなど様々なイベントが行われる。
開幕セレモニーには日本の対台湾窓口機関・日本台湾交流協会の片山和之代表、嘉義県の翁章梁県長(=県知事)、陳冠廷立法委員(=国会議員)、国立故宮博物院の蕭宗煌院長、黄永泰副院長と余佩瑾副院長らが出席した。
片山代表は、沖縄が日本の47都道府県で最も南西にある県であること、また沖縄県の最西端にある与那国島と台湾はわずか110キロメートルしか離れていないことに触れ、地理的な原因で沖縄は歴史的に東アジアや東南アジアとの結びつきが強く、こんにちの独特な文化が生まれたと説明、特別展を楽しんでおけば、将来沖縄県を訪れたとき沖縄をより深く体験出来るだろうと来館を呼びかけた。
一方、国立故宮博物院の蕭院長は、沖縄は大航海時代にアジア各国と密接に往来していたとした上で、来館者は特別展を通して琉球の歴史を知り、沖縄がアジアにもたらした影響と衝撃を理解するだろうと述べた。また、この特別展では文物の展示のほか、講演をはじめとする様々なイベント、ならびに10月12日の「沖縄の服装の夕べ」が予定されていることを指摘し、大勢の来館に期待した。
嘉義県の翁県長は、今回の特別展では沖縄の歴史と文化、工芸をより系統立てて知ることが出来るので、沖縄に行って観光スポットをまわり、美食を味わうといった従来の方法とはまったく異なる経験になるとして、来館に値する展示であることを強調した。
国立故宮博物院によると、「日本沖縄月」の開催期間は5日から11月3日まで。10月12日には琉球国王の冊封儀式と首里城祭の没入型イベントが行われる。沖縄ムードにあふれた屋台や「万国津梁」の灯火、行列が登場するという。詳細は国立故宮博物院南院のウェブサイトやフェイスブックを参照のこと。