2025/05/26

Taiwan Today

文化・社会

牡丹社事件から150年、屏東県牡丹郷と沖縄県宮古島市が交流協定

2024/11/08
屏東県牡丹郷と日本の沖縄県宮古島市が7日、交流協定に関する覚書に調印した。一行はまた、2005年に牡丹郷が宮古島市に寄贈した「愛と平和の石像」の隣に記念碑を設置。「牡丹社事件」から150周年の節目を迎え、台日双方の自治体が新たな関係構築に向けて歩みだした。(屏東県)
屏東県牡丹郷と日本の沖縄県宮古島市が7日、交流協定に関する覚書に調印した。牡丹郷の藩壮志郷長が牡丹や高士集落に住む先住民族を率いて宮古島市役所を訪れ、宮古島の座喜味一幸市長とともに署名に臨んだ。双方は今後、①教育・文化、②観光・旅行、③産業推進の3つの側面から交流を促進させる。一行はまた、2005年に牡丹郷が宮古島市に寄贈した「愛と平和の石像」の隣に記念碑を設置。「牡丹社事件」から150周年の節目を迎え、台日双方の自治体が新たな関係構築に向けて歩みだした。
 
「牡丹社事件」とは、台湾に漂着した日本の宮古島島民がパンワン族に殺害された「八瑤湾事件」(日本での名称は宮古島島民遭難事件)(1871年)と、それをきっかけとして1874年に行われた日本軍による台湾出兵に至るまでの一連の歴史事件を指す。今年は事件から150周年の節目となる。
 
屏東県原住民処が明らかにしたところによると、牡丹郷の一行は4日から8日までの日程で沖縄県宮古島を訪れた。一行は7日、カママ嶺公園にある「愛と平和の石像」の隣に、石像を設置した目的や理念について説明する記念碑を新たに設置した。また、パイワン族の祈願祭を開催し、宮古島市のすみずみにまで平和が訪れ、そしてより多くの人が「牡丹社事件」の歴史に関心を寄せ、理解を深めてくれるよう祈願した。
 
一行はまた、宮古島市役所を訪れ、交流協定に関する覚書に調印した。協定の内容は、双方が①教育・文化、②観光・旅行、③産業推進の3つの側面から交流を促進させることを約束したもの。屏東県原住民処は「牡丹郷と宮古島市はいずれも国境の南に位置する。地方から台日双方の都市外交を盛り上げ、双方の交流活動を通して、双方の協力関係を発展させていきたい」と期待を寄せている。
 
牡丹郷にとって、宮古島市は初めての国際交流都市となる。屏東県原住民処によると、この2つの自治体は過去の歴史を通して関係を構築した。2005年には牡丹郷の林傑西郷長が「牡丹社事件-愛と平和の世紀の大和解」と名付けた「平和の旅」を実践。宮古島市の伊志嶺亮市長(当時)が証人として立ち会う中、宮古島の被害者の末裔が牡丹郷の善意に理解を示し、被害者・加害者双方の末裔が握手、抱擁するという歴史的な和解を実現させた。
 
牡丹郷はこの和解を記念するため、「愛と平和の石像」を牡丹郷の「牡丹社事件紀念公園」と宮古島市の「下地中学校」に設置し、愛と平和という普遍的価値観を伝えてきた。2023年、宮古島市は牡丹郷に敬意を示し、石像をカママ嶺公園に移設。石像の正面を牡丹郷に向けることで、日本側の善意と理解を示した。
 
 
 

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