国家人権委員会は8日、ジェンダー平等の象徴である台北市の西門紅楼で、人権ポスターデザインコンテスト「Color Our Rights」の授賞式を開催した。今年のテーマは「平等不歧視」(平等に、差別をしない)で、世界各地から合計1,365点の作品が寄せられた。国家人権委員会の陳菊主任委員は「創意工夫と若い世代の観点を通して、複雑で敬遠されがちな人権という問題を、デザインによって伝える作品が集まった。社会の不平等や非人権的なことがより人の目にさらされ、理解が得られるよう期待している」と述べた。
授賞式では、「学生部門」、「社会人部門」の1~3位(金、銀、銅賞)と佳作に選ばれた作品を表彰した。陳菊主任委員によると、今年初めて台湾の在外公館(あるいはそれに類似する機関)を通して海外でも作品を募集したところ、遠いところではフィンランド、イギリス、ポルトガル、近いところではインドネシア、ベトナム、シンガポールなどから作品が集まった。中には中国や香港の若いクリエーターの作品もあり、それぞれ人権に対する解釈や訴求などが作品に込められていたという。
そのうち「社会人部門」で最高賞の金賞を獲得したのは、詹家宜さんの「教育は特権ではなく権利」と題するポスター。どのようなエスニシティ、どのような背景を持つ子どもであろうとも教育は平等であり、そこに差別があってはならないということを、鉛筆、階級、子どものシルエットの切り絵など、アイコン的な要素を使って訴え、どの子どもにも教育を受ける権利があるということを社会が関心を持つよう呼びかけた。「学生部門」で金賞を獲得したのは胡海芳さんの「嫁」と題するポスターで、家庭内における女性の不平等な立場を描いた。「家」と女性がひざまずいて床拭きをしているような動作を組み合わせることで、女性の権益に注意を払うよう人々に訴えている。このほか、今年は香港の梁凱晴さんが「学生部門」で銅賞(3位)に、中国の孫鵬さんとマレーシアの楊尹童さんが「社会組」で佳作に選ばれた。
また、今年のコンテストでは同時に、エントリー作品を対象としたインターネットでの人気投票も行われた。その結果、「社会人部門」では熊柔柔さんの「差別をすることは加害者になることと同じ」と題するポスターが1位に選ばれた。この作品は、ささいな視線ひとつが他人にとっては悪夢になる可能性をはらんでいるというメッセージを伝えた。「学生部門」では盧姿静さんが自身の経験をもとにしたポスター「私は商品ではない」が1位に選ばれた。家族にレッテルを貼られるという行為が子どもの心を傷つけるというメッセージを込めたもので、勇気をもって自分らしく生きられるよう、自由に成長する空間を子どもに与えることが大切だということを呼びかけている。