2025/04/19

Taiwan Today

文化・社会

日本外務省の国際漫画賞、台湾の左萱さんが優秀賞

2025/01/20
日本の外務省が主催する「第18回日本国際漫画賞」の優秀賞に選ばれた左萱さん(写真右)とその作品「The Banana Sprout vol.2(芭蕉の芽)」(同左)。台湾の漫画家は同賞の常連だ。(蓋亞文化提供、文化部)
日本の外務省は17日、主催する「第18回日本国際漫画賞」の受賞者を発表した。それによると、応募作品716点の中から台湾の漫画家、左萱さんの「The Banana Sprout vol.2(芭蕉の芽)」が優秀賞に選ばれた。左萱さんは2016年、同賞入賞の経歴を持ち、今回は一つ上の優秀賞を獲得したことで、自身の記録を更新した。このニュースを聞いた文化部(日本の文科省に類似)の台北駐日経済文化代表処台湾文化センターの曽鈐龍主任は、文化部の李遠部長(大臣)に代わって、左萱さんに祝意を表した。
 
「芭蕉の芽」は、1930年代の台北高校(現在の国立台湾師範大学の前身)を舞台にした、性格が正反対の二人の学生、葉星橋と南城雲太郎の青春漫画。親友になった二人が、それまでの型にはまった堅苦しい校報を嫌い、常識の殻を破った新たな雑誌「鐘之音」を創刊する物語。左萱さんは、史料を読み解き、繊細で独特なタッチで、日本統治時代の台北高校生たちのキャンパスライフと青春を描いた。 同作品は、台湾の漫画出版大手、蓋亞文化から出版された。蓋亞文化は、台湾の漫画界でも大きな影響力を持ち、出版作品は、何度も日本国際漫画賞で賞を獲得し、話題を呼んでいる。
 
日本国際漫画賞は、今年で18回目を迎えた。今回は、95個カ国・地域から過去最多となる716作品の応募があり、その中から最優秀賞1名、優秀賞3名、入賞11名の合計15作品が選ばれた。授賞式は3月に行われる予定。
 
文化部は、2018年から2027年までの10年間が『台湾漫画新時代』を迎える重要な時期と位置付けている。政策の支援や資源投入を通じて、優れた創作環境の創出および健全な産業生態系を目指す狙いだ。台湾の漫画家はここ数年、日本などの国際的な漫画賞受賞の常連で、台湾の漫画家が国際市場において、抜きん出た才能の持ち主だということを証明している。文化部は今後も、台湾の漫画家や漫画産業が、中華民国(台湾)政府による支援を原動力に、国際舞台でひときわ輝く存在としてアピールできるよう望んでいる。
 
台湾文化センターは近年、日本での台湾漫画のプロモーション活動を積極的に行っている。ここ5年では、「台湾漫画夜市」(2020年)、「『ありがとう日本』イラスト展」(2021年)、「TAIWAN AUDIO COMIC EXPO.-音も楽しむ台湾コミック-」(2021年)、「漫画の絆 台日色紙展」(2023年)、「-BLOSSOM- 台漫満開・百花繚乱」(2024年)などのイベントを開催した。そのほか、毎年、台湾の漫画家やイラストレーターに、同センターの年間計画のPR折りパンフレットにイラスト作成を要請している。最初の折りパンフレットを手がけたのが左萱さんだった。今後も日本において台湾漫画をアピールし、現地市場を開拓し、台湾漫画の普及に貢献していく。

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