2025/02/11

Taiwan Today

文化・社会

教育部が取り組む「キャンパスを美しく」するプロジェクト、海外からも評価

2025/02/06
教育部は2019年より、美しい学習環境を作るため、財団法人台湾設計研究院に委託して「学美・美学-キャンパスの美感デザイン実践プロジェクト」を実施している。すでに91の教育機関の校舎で、デザイン的概念を取り入れた「改造」が行われ、国内外のメディアで取り上げられたり受賞したりしている。写真は日本の「2024年グッドデザイン賞」を受賞した南投県埔里鎮の中峰国小(小学校)の事例。日本のNHKで取り上げられた事例などもある。(教育部)
教育部は2019年より、美しい学習環境を作るため、財団法人台湾設計研究院に委託して「学美・美学-キャンパスの美感デザイン実践プロジェクト」を実施している。すでに91の教育機関の校舎で、デザイン的概念を取り入れた「改造」が行われ、国内外のメディアで取り上げられたり受賞したりしている。このほど、南投県埔里鎮の中峰国小(小学校)の校舎改造計画が、日本の「2024年グッドデザイン賞」を受賞した。世界各地から応募のあった5,773作品の中から選ばれた。また、台北市立復興高級中学(高校)や、2023年に「グッドデザイン賞」を受賞した彰化県溪湖鎮の湖東国小も、最近相次いで日本のNHKやタイの権威あるクリエイティブ雑誌『art4d』に取り上げられるなど、海外メディアの注目を集めている。
 
南投県埔里鎮/中峰国小
校舎内には921大地震(1999年9月21日に発生した台湾中部を震源とする大地震)を乗り越え、学校の再建を見守ってきたマホガニーの木々があった。3本のマホガニーの木を囲むように作られた屋外スペースは、長年風雨にさらされて損傷が進んでいた。デザインチームと職人たちはここに、クライミングネットと鋼構造を使った新たなマルチスペースを作り出した。「グッドデザイン賞」の審査委員は、「学校の最古のマホガニーの木々を取り囲む形で設計された屋外教室のようなマルチスペースの提案。細長く使いにくい余剰のような敷地プロポーション形状や、寄り付きづらい巨木の存在をポジティブに解釈して、やわらかな自然との身体的なつながりを生み出している。みんなで集まったりひとりで読書、パフォーマンスエリアとしても利用可能で、子どもたちに使われ方の創造性を与えている点も興味深い。子どもたちが木々と直接触れ合いながら学べる体験型空間が創出され、自然探求の場としての多様な可能性が広がっている」と評価している。
 
台北市立復興高中
「いのち」の教育に力を入れる同校は、学校で飼っているイヌやネコたちのために、彼らの習性に合った安全な生活空間を作り、教員と生徒が一緒になって「いのち」について学べる場を作りたいと考えた。デザインチームは、2つの建物の間にあった半屋外空間と外向きに広がる扇形の空間を活用することで、学校が保護する野良イヌや野良ネコたちが快適に生活でき、生徒たちと触れ合い、そして教育の現場として使用できる環境を提案した。これにより、動物の行動や習慣を観察することができるようになったほか、より安全で雨風をしのぐことができる生活環境が整えられた。新たに設けられた教学エリアは、学校内の動物愛護サークルの生徒たちが「いのち」に関する教育を推進できる場として機能している。大きな木々に囲まれた扇形のスペースには水道や電気などが引かれ、動物たちの体を洗うスペースとして生まれ変わった。同時に、教員や生徒が授業以外の時間を使って動物と触れ合い、関係を構築できる空間となっている。この取り組みは最近、日本のNHKの番組「石田ゆり子 世界の犬と猫を抱きしめる~台湾編」で紹介され、日本の有名な女優である石田百合子さんが取材に訪れ、同校の教員や生徒たちの動物愛護の様子が日本に伝えられた。
 
★★★★★
「学美・美学」プロジェクトは最近、イギリスの権威あるデザイン雑誌『Wallpaper』からも取材を受け、最新の取り組みについて紹介された。詳細については同プロジェクトの公式サイト(https://campusfield.design.org.tw/)を参照のこと。
 

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