2025/04/01

Taiwan Today

文化・社会

台南国家美術館設立準備室が発足、台湾近現代美術の展示始まる

2025/03/26
「台南国家美術館」設立準備室の発足と台湾の近現代美術の100年を回顧する特別展「フォルモサの時代―台湾近現代美術の知識と啓蒙」の開幕にあたり、李遠文化部長(中央)は、台湾は自ら自由で民主的な体制を選んだことにより自分のやり方で歴史と芸術史を解釈することができるとの考えを述べた。(文化部)
台湾南部の台南市美術館2号館で25日、「台南国家美術館」設立準備室の発足式が行われた。またこれと同時に台南市美術館で台湾の近現代美術の100年を回顧する特別展「フォルモサの時代―台湾近現代美術の知識と啓蒙」が開幕、初公開となる陳澄波作『南海普陀山』、黄土水作『甘露水』、張大千作『廬山圖』など国宝級の作品が多く展示されている。

文化部(日本の省レベル)の李遠部長(大臣)、王時思政務次長(副大臣)、黄偉哲台南市長、台南国家美術館設立準備室の黄宏文主任、台南市美術館の游文玫董事長らが発足式に立ち会った。李遠部長は、台湾は自由な民主主義体制を自ら選択し、自らのやり方で自らの歴史と芸術史を開拓するものであり「我々のことを誰が何と呼ぼうと、決して誰かに比べて劣っているのではない」と述べた。

李部長によると、文化部は2018年に台湾芸術史再建計画を策定し、研究、展示を通じて台湾美術の美術史観と体系を再構築する試みをスタート。これまで作品867点、史料9万件などの収集を進め、これが大きな反響を呼び、「台湾の人々のため文化遺産を残そう」と芸術家や収集家の遺族から所蔵作品の寄贈の申し出があるなど、近現代をターゲットにした国家美術館の設立が急務となっていたという。

また、李部長は、今年の文化部の予算が大きく削られたことに触れ、当初は酷く落ち込んだものの、この100年の歴史において台湾が受けてきた不公平な待遇や、先達の芸術家たちが嘗めてきた苦労に比べれば大したことではないと考え直したと語った。台湾が自ら自由で民主的な体制を選んだことにより台湾の夜明けは既に訪れているのであり、自らが自らの主人となることで台湾を覆っていた闇は徐々に去り、自分のやり方で歴史と芸術史を解釈することができるようになっているとの考えを述べた。

文化部は、陳澄波、郭柏川、郭雪湖、蒲添生、張萬傳、潘春源、潘麗水、潘瀛洲、鄭世璠、陳夏雨、黄歌川、楊英風、陳陽春、蒲浩明といった先達の芸術家の遺族らが寄贈の意向を示し、台南国家美術館の設立により、今後作品が国により保存、研究、展示され台湾美術史の重要な資産となることに期待が寄せられていると表明している。

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