2025/04/27

Taiwan Today

文化・社会

大阪・関西万博「TECH WORLDパビリオン」、スタッフユニフォームはタイワンスギで生命力の強さ表現

2025/04/07
大阪・関西万博が今月13日にスタートする。台湾が民間企業名義で設置する「TECH WORLDパビリオン」のスタッフユニフォームは、デザイナーの廖佳琳さん手掛けた。台湾固有種の樹木、タイワンスギ(台湾杉)からインスピレーションを得たデザインで、台湾が持つ強靭性と生命力を表現している。(TECH WORLDパビリオン公式サイトより)
大阪・関西万博が今月13日にスタートする。台湾は経済部の外郭団体、中華民国対外貿易発展協会(TAITRA、日本での名称は台湾貿易センター)が100%出資する民間企業「玉山デジタルテック株式会社」の名義で「TECH WORLD(テックワールド)パビリオン」を設置することになっている。このパビリオンのスタッフが着用するユニフォームは、デザイナーの廖佳琳さん手掛けたものだ。台湾固有種の樹木、タイワンスギ(台湾杉)からインスピレーションを得たデザインで、台湾が持つ強靭性と生命力を表現している。
 
廖佳琳さんによると、「TECH WORLDパビリオン」のスタッフユニフォームは、彼女のデザイナーとしての30年以上に及ぶキャリアの中で、デザイン、製作のいずれにおいても最も困難を極めたものだったという。廖佳琳さんがデザインの依頼を受けたのは昨年9月のこと。今年1月にようやく完成にこぎつけたが、最初の3か月間はどのようなデザインによって台湾らしいスタイルを表現するかや、環境にやさしい素材を使いつつ、いかにして着心地の良さを維持するかなどを考えるのに費やされた。
 
廖佳琳さんは、台湾の要素を盛り込んだデザインにするため、まずは歴史博物館に足を運んで資料探しに着手した。そして選んだのが台湾蛇紋石(台湾東部・花蓮を原産地とする岩石)、台湾が世界に誇る半導体、それに台湾固有種のタイワンスギの3つだった。廖佳琳さんは自らこれらをスケッチして、最後にタイワンスギをデザインのメインとすることを選んだ。タイワンスギは東アジアで最も高い樹種で、台湾の先住民族の一つ、ルカイ族はこれを「月にぶつかる木」と呼ぶ。タイワンスギはその学名を「Taiwania cryptomerioides」と言い、日本人の植物学者によって1906年に台湾で発表された。現在に至るまで、「台湾(Taiwania)」の名を冠した世界で唯一の樹種である。「タイワンスギ」はその学名によって、台湾と世界をつなげることになったとされている。
 
廖佳琳さんは、タイワンスギからインスピレーションを得たデザインによって、台湾が持つ強靭性や生命力を表現したいと考えた。また、生地にはトウモロコシ繊維や嘉義(台湾中南部)で回収された牡蠣(かき)の貝殻に由来するサステナブル素材を採用。デッサン風の絵柄をデジタルプリントして、台湾の自然を探索する探検家をイメージしたデザインに仕上げた。
 
廖佳琳さんがデザインしたユニフォームは、半袖のシャツと長ズボンのほか、両袖が取り外し可能な上着がセットになっている。万博の開催期間が4月中旬から10月まで長期間に及ぶことを考慮し、季節に応じて両袖を取り外せるようにしたという。
 

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