文化部は2024年より、台湾の文化コンテンツ産業の強化を目指す「文化黒潮計画」の一環として、40代~70代の中堅芸術家やキュレーターによる海外での作品展示に対する助成プログラムを実施し、豊富な経歴と熟練のスキルを持つ中堅芸術家が国際舞台に出ていくことを支援している。2024年は15件の企画を採択。海外の17の芸術団体などと協力し、台湾人芸術家98名の作品を日本の福岡アジア美術館、英国のヘイワード・ギャラリー、インドネシアのJogja Fotografis Festival、韓国の済州ビエンナーレなど10か国以上、17都市で展示した。今年、「文化黒潮計画」の助成プログラムは、台湾人芸術家の頼純純(ジュン・T・ライ)さんの大阪・関西万博での作品展示を支援している。
頼純純さんは40年余りの創作活動の中で、さまざまな形式のアート作品を生み出してきた。大阪・関西万博では南條史生さん(森美術館特別顧問)の招きを受けて「関西万博パブリックアートプロジェクト」に参加。招待された海外の芸術家の中、唯一の台湾人芸術家として大型のインスタレーション「フラワー・オブ・ホープ」(希望の花)を展示するほか、『不思議の国のアリス』に登場するキャラクターに扮して観客をダンスに誘う参加型アートパフォーマンスを実施する。
大型インスタレーション「フラワー・オブ・ホープ」は大阪・関西万博の会場である夢洲の東ゲートゾーン東ゲート広場のNTTパビリオン横で見ることができる。色とりどりの花びらで構成された作品は、多様な文化の共存を象徴している。また、光と影、そして周囲の環境との融合により、没入感あふれる幻想的な空間を創り出している。人間と自然、テクノロジーと未来との関係に焦点を当て、台湾のイノベーションと美学を世界に発信するとともに、台湾のアートに対する国際社会の関心を高めることを目指している。展示は10月13日まで。