頼総統は、一行が早朝に帰国したばかりにもかかわらず空港から駆け付け、総統府で歌声を披露してくれたことに感謝した。また、その歌声はまさに台湾最高峰・玉山から届いた「天籟之音(天上の歌声)」であり、人々を心酔させるものだと称賛。美しく、感動的な音楽の饗宴をもたらしてくれたことに感謝した。
同合唱団は先月28日、中華民国(台湾)と外交関係を持つバチカンを訪れ、新ローマ教皇レオ14世の一般謁見に参加した。そして、ローマ教皇にラテン語で「台湾はあなたを応援しています」と語り掛けたあとに、ブヌン語で「拍手歌」(kipahpah ima)を献唱した。また、イタリアでは世界的に有名なシスティーナ礼拝堂聖歌隊との合同公演を行い、その後もポーランド、ドイツ、オーストリアなどで巡回公演を成功させた。頼総統は、若いながらも非常に意義ある偉業を成し遂げた団員たちを称賛するとともに、「音楽は世界共通の言語である。最も神聖な舞台で世界に歌声を届けてくれたこと、台湾先住民族の歌声によって、世界に台湾の存在を知らしめてくれたことに感謝する」と述べた。
頼総統はまた、経営母体である台湾原声教育協会と、指揮者として合唱団を指導している馬彼得(ブヌン語名:Bukut Tasvalua)団長にも謝意を伝えた。南投県信義郷の小学校で校長をしていた馬団長は、2008年に数名の元教員らと共に音楽学校と児童合唱団を創設。音楽アルバムの製作や海外巡回公演の機会を作り、多くの成果を挙げてきた。また、こうした教育活動を通じて集落の発展に尽力し、音楽によって子どもたちが自信と夢を育める環境を作ってきた。近年は12年一貫教育の原声国際学院を創設し、先住民文化の継承に力を注ぎ、子どもたちを広い世界へと導いている。
頼総統は最後に、すべての団員に対し、これからも音楽によって先住民族の文化と精神を継承し、より多くの夢を実現していくよう期待を寄せた。