2025/07/30

Taiwan Today

文化・社会

東京国際合唱コンクール「フォルクロア部門」で台湾の尼布恩合唱団が1位、中国の妨害はねのけ

2025/07/28
27日まで開催された第7回東京国際合唱コンクールのフォルクロア(民族音楽)部門で、台湾南部・高雄市六亀区から出場した尼布恩合唱団(日本での名称はニーブーン合唱団)が95.9点の最高得点で1位に輝いた。(中央社)
東京都内で開催された第7回東京国際合唱コンクールのフォルクロア(民族音楽)部門で、台湾南部・高雄市六亀区から出場した尼布恩合唱団(日本での名称はニーブーン合唱団)が95.9点の最高得点で1位を獲得した。
 
このコンクールは25日から27日まで東京で開催され、台湾から6つの合唱団が出場していた。開催期間中の26日には、中国が主催者に対し、会場から中華民国(台湾)の国旗を撤去し、台湾の団体の出場名義を「台湾」から「チャイニーズ・タイペイ」(Chinese Taipei)に変更するよう要求するという妨害があった。
 
台北駐日経済文化代表処(日本における中華民国大使館に相当)は中国の妨害に厳重抗議するとともに、合唱団に同行して日本を訪れていた邱議瑩立法委員(国会議員)とともに主催者と交渉を行った。日本の超党派議員連盟「日華議員懇談会」の古屋圭司会長もただちに台湾のために声を上げたものの、主催者は台湾の合唱団の名義を「チャイニーズ・タイペイ」に一方的に変更。同時に、すべての出場国の国旗を掲揚しないことを決定した。
 
台北駐日経済文化代表処の周学佑副代表と職員16名はコンクール最終日となった27日、会場へ赴いて台湾の合唱団を応援するとともに、中国側がさらなる妨害を行うことがないよう見守った。
 
こうした重圧の中、フォルクロア部門で1位となった尼布恩合唱団はSNSに、「今回の日本行きは平坦な道のりではなかった。コンクール開催途中、突如として出現した挑戦に不意を突かれた。だが私たちは逃げもせず、屈しないという選択をした」、「この金メダルは私たちだけのものではない。『文化には歌う価値がある』と信じてくれるすべての人たちのものでもある」と書いた。また、投稿した複数の写真の中には、「TAIWAN」(台湾)と記載された賞状の写真もあった。関係者によると、主催者側は「チャイニーズ・タイペイ」(Chinese Taipei)のほかに、「TAIWAN」と書かれた賞状も用意し、尼布恩合唱団に両方を授与したという。
 
尼布恩合唱団は27日夜、高雄医学大学日本校友会が主催する台日親睦会に招かれ、パフォーマンスを披露した。尼布恩合唱団の指揮者を務める陳俊志氏が高雄医学大学出身の医師であることから、日本に住む同大学のOB・OGらが親睦会を開催し、台北駐日経済文化代表処の李逸洋代表、邱議瑩立法委員、中央通信社(CNA)の李永得董事長らも招かれた。
 
李逸洋駐日代表は、「中国は政治的な目的で、卑劣かつ粗暴な手段によって音楽を汚した。強い憤りを感じる」とし、主催者への抗議だけにとどまらず、中国が音楽の世界にまで政治を持ち込んだことについて厳しく非難する必要があると訴えた。
 
李駐日代表はまた、「とはいえ中国のこのような圧力は無意味なことだ。なぜなら『台湾は台湾であり、中国は中国である』というのは、変えることのできない事実だからだ。台湾はハイテクと民主主義と自由を持ち、世界の民主国家から支持と称賛を受けている。文化や芸術の分野でも世界の注目を集め、特に海外の合唱コンクールでは何度も優勝している。私たちは、自分たちの声と感情をもって世界に台湾をアピールし、世界の人々に台湾を知ってもらい、そして全世界から愛される存在となっている。今後も中国共産党の圧力に屈することなく、こうした努力を続けていきたい」などと語った。
 

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