また、この展示はそのテーマが持つ民俗的な色彩に呼応し、建立350年以上の歴史を誇り、国の指定文化財を意味する「国定古跡」にもなっている「台湾府城隍廟」(中西区青年路)とタイアップ。府城三大名扁(台南にある3つの有名な扁額)に数えられる「台湾府城隍廟」の「爾來了」(汝来る)の扁額を会場の装飾に加え、台湾文学に登場する神々や幽霊、妖怪などが展示会場に降臨し、世界中からの来場者を迎えるというイメージを作ることにした。国立台湾文学館などの関係者らは27日、台湾府城隍廟で展示の成功を祈願した。
国立台湾文学館の陳瑩芳館長は、「We Taiwan」とはつまり「咱台湾(われら台湾)」を意味し、台湾が文化の力によって国際社会と交わるための重要な取り組みだと強調。その中で文学は決して欠かせない存在だとした上で、今回の展示の開催はちょうど日本のお盆の時期に重なるため、台湾文学で描かれる霊異や神仙、妖怪といった「マジカル」な要素を通して、日本の人々に台湾の物語が持つ魅力を多角的に伝える絶好の機会になると説明した。
展示の内容は、「台湾先住民族の文化」、「日本文化の影響」、「台湾民俗再発掘」、「現代大衆文学」、「文学小説のマジック」、「詩の中のマジック」という6つの展示エリアで構成され、タオ族出身の作家である夏曼・藍波安の作品に登場する台湾先住民族にまつわる海洋伝説、日本統治時代に台湾を訪れた日本人作家の佐藤春夫が台南・安平を舞台に描いた『女誡扇綺譚(じょかいせんきたん)』、台湾の民俗や民間信仰を題材にした西川満の『楚楚公主』、許丙丁の『小封神』、それに都市伝説や学校や軍隊にまつわる会談、小説や詩歌に込められたマジカルな要素や哲学的思考などが紹介され、台湾文学の多様性と生命力を体感できるという。会期中には座談会や作家のトークイベントなども多数開催。張嘉祥、朱宥勳、邱常婷、甘耀明(敬称略)など著名な作家たちが登壇し、台湾「マジカル」文学の創作に込めた精神や文化的背景について語る。
なお、台湾府城隍廟で行われた展示成功祈願の儀式では、この展示に関連したオリジナルグッズを香炉の煙にくぐらせて神の加護を得る儀式(「過炉」と言う)を行った。これらのグッズは、大阪での開幕式の際、来場者に贈呈する予定だという。
国立台湾文学館は、日本の人々や、大阪を訪れる予定のある台湾人に対して、ぜひ大阪市中央公会堂で開催されるこの展覧会にも足を運んで欲しいと呼びかけている。
「マジカル台湾—台湾文学展」
日程:2025年8月10日(日)~8月20日(水)
会場:大阪市中央公会堂3階特別室
座談会会場:大阪市中央公会堂B1大会議室
イベント公式ページ:https://wetaiwan.tw/zh-TW/program/35
We TAIWAN台湾文化in大阪・関西万博
日程:2025年8月2日(土)~8月20日(水)、8月26日(火)~8月28日(木)
会場:オンライン、VS.(グラングリーン大阪)、大阪市中央公会堂、中之島
公式サイト:https://wetaiwan.tw
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