2025/08/19

Taiwan Today

文化・社会

教育部主催の「デジタル学習国際フォーラム」、各国の関係者が生成AI含むデジタル学習について議論交わす

2025/08/14
教育部は8月13日と14日の2日間にわたり、台中市内で2025年「デジタル学習国際フォーラム」を開催した。台湾だけでなく、韓国、日本、タイ、ドイツ、シンガポール、豪州、英国などの関係者が出席した。(教育部)
教育部は8月13日と14日の2日間にわたり、台中市内で2025年「デジタル学習国際フォーラム」を開催した。各国の教育関係者が、生成AIの教育への応用や、教育に関するビッグデータ分析、デジタル学習の今後の発展などについて議論を交わした。
 
台風11号の影響を受け、このフォーラムは対面式とオンラインのハイブリッド形式で実施された。教育部資訊及科技教育司の呉穎沺司長は冒頭の挨拶で、教育部は2022年から「小中学校デジタル学習強化計画」をスタートさせ、児童・生徒を中心に、テクノロジーと教育を融合した学習環境の整備を進めていることを紹介した。
 
この計画のプロジェクトオフィスで執行秘書を務める郭伯臣氏は、このフォーラムで、台湾におけるデジタル学習推進の成果を共有した。郭氏は、教育部が開設したオンライン学習プラットフォーム「因材網」(https://adl.edu.tw/HomePage/home/)を4時間以上利用した児童・生徒は、国語・英語・数学の三科目の評価テストの合格率が、未利用者よりも大幅に高いことが示されたことを紹介。さらに、生成AIを学習のパートナーとして併用すれば、その効果がさらに向上すると説明した。郭氏はまた、「因材網」の複数の学習機能を活用できれば自己調整学習のサイクルが身に付き、またプラットフォームの単一の機能しか使用しない生徒よりも、学習の効果が高いことも分かっていると付け加えた。その上で、「多くの実証実験の結果、学習プラットフォームの機能をうまく活用することが、児童・生徒の自主的な学習能力と学習成果の向上に役立つことが示されている」と断言した。また、海外の事例として、韓国、日本、タイ、ドイツ、シンガポールの専門家が、それぞれの国におけるデジタル学習およびAI教育推進の経験を共有した。
 
フォーラムの2日目には、学術界や地方自治体の教育主務機関の代表が登壇し、「教室における生成AIの実践的応用」と「教育ビッグデータはいかにして授業と学習の変革を促すか」の2つの主要テーマに焦点を当てて議論を展開した。ここでは豪州、英国、日本、台湾の研究者が、AIが「教育と学び」に対していかなる効果的支援を提供するかや、学習履歴やデータ分析システムなどについて掘り下げた。制度や背景の異なる実務経験と理論的視点を通して、AIを学校での教育に導入するための道筋と、その成功の鍵となる要素について探るとともに、台湾はいかにして教育現場でAI導入とイノベーションを深化させるべきかについても議論が行われた。
 
会場では講演やパネルディスカッションに加え、研究に関するブース展示も行われ、生成AIを取り入れた教材、リテラシー重視のカリキュラムモジュール、ゲーム型学習モジュール、教育に関するビッグデータシステムなどが紹介された。これらの成果は第一線で活躍する教師たち、大学の研究チーム、業界による取り組みで得られたもので、すでに小中学校の授業にも広く活用されており、台湾の教育デジタルの変革の実力と特色を十分に示す内容となった。
 

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