22日に行われた開幕式には台湾を代表する漫画家で、日本でも作品が紹介されている阮光民さん、左萱さん、重花(カサカ)さんの3人が登壇し、日本の読者と交流を深めた。また、台北駐日経済文化代表処の周学佑公使、日本台湾交流協会の谷崎泰明理事長、日本漫画家協会理事長で漫画家の里中満智子さん、株式会社手塚プロダクションの手塚孝征社長など、日本の出版・漫画業界の関係者が多数出席した。
台北駐日経済文化代表処の周学佑公使によると、この展示会では「ジェンダー・多民族・人権」など、台湾社会で大切にされている価値観や多様性(ダイバーシティ)をテーマに取り上げた台湾漫画21作品を紹介。具体的にはBL、GL、民主化運動、言論の自由、先住民族、新移民といったテーマを取り上げたもので周公使は「日本の皆さんに台湾漫画のクリエイティビティと奥深さを知ってもらい。そして台湾が多様な価値観を尊重し、大切にしていることを感じて欲しい。この企画が台湾と日本の文化交流の架け橋になれば」と期待を寄せた。
『用九商店』(原題:用九柑仔店)などの作品で知られる漫画家の阮光民さんは、「漫画は単なる娯楽ではなく、一種の世界共通言語だ。文化や歴史などを全世界に紹介することができる。今回の企画で取り上げられた漫画作品はどれも台湾漫画が持つ多様性を伝えるものだ。多様性と包摂性こそが、台湾漫画が最も大切にしているもので、最大の魅力でもある」と訴えた。
近年台湾の漫画家は日本の「国際漫画賞」(外務省主催)で次々と好成績を収めており、これまでに金賞2件、銀賞9件、銅賞21件を獲得している。開幕式に出席した台湾の漫画家の阮光民さんと左萱さんも、過去に「国際漫画賞」で銀賞を受賞している。長年「国際漫画賞」の審査委員長を務めてきた里中満智子さんは台湾漫画を高く評価し、「長くアジア各国の漫画家と交流し、各国の作品に触れる機会があったが、台湾の作品は画力が優れているだけでなく、とくにそのストーリー性、キャラクターの表情、そして一つひとつのセリフに込められた感情が素晴らしい。それこそ人を感動させる部分であり、より多くの日本の読者に台湾漫画を知り、読んでもらいたいと心から思う」と語った。
なお、展示のメインビジュアルは、『芭蕉の芽』(原題:芭蕉的芽)で第18回「日本国際漫画賞」銀賞を受賞した左萱さんが担当した。台湾の「花窓」(飾り格子)のある家屋や伝統行事の賑やさを演出する「客家花布」(花柄のプリント生地)を使った提灯などをモチーフに、台湾らしい、カラフルな雰囲気を醸し出した。これはまた、今回の企画のテーマである「Colorful」(カラフル)や「ダイバーシティ」(多様性)にも呼応しており、台湾が持つ豊かな創作のエネルギーを伝えている。
この企画に関連して、23日にはジュンク堂書店池袋本店で台湾の漫画家・重花さんと日本の漫画家・紗久楽さわさんによるBLマンガ家トーク&サイン会も開催された。
「Colorful- ダイバーシティ in 台湾漫画」は9月26日まで開催。参観は無料。
■会場:東京都港区虎ノ門1-1-12 虎ノ門ビル2階
■展示期間:8月22日(金)~9月26日(金)
■開館時間:平日10:00~17:00
■入場無料
■主催:台北駐日経済文化代表処台湾文化センター