
さらに最近の大きな動きは、朝日新聞が6月に創刊した、中国語で日本のいまを紹介する週刊電子マガジン『新鮮日本』の発行だ。写真を多用し、ファッションや漫画にとどまらず、政治から社会まで最新の出来事や事物を紹介している。同社は同誌創刊に先がけ、東日本大震災を記録した中国語の電子書籍『日本大地震大紀実』も4月に発行した。
日本のメディアの中国語市場への進出が積極化する中、台湾市場でも変化が起きている。台湾のケーブルテレビでは台湾の視聴者を対象に中国語字幕で日本語の番組を常に放送するチャンネルが3チャンネルあるが、主にドラマを放送する緯来日本台(ビデオランド・ジャパン)は、昨年から一部ドラマについて日本での放映中に、台湾での放映を始めている。NHK大河ドラマの『龍馬伝』は同年11月15日から月~金の毎日放映、同時に同名小説の中国語訳も出版された。今年の4~6月に日本で高い視聴率を記録したTBS『JIN-仁-』(第二期・完結編)は、日本の放映から毎回6日後に放映、再放送も合わせ1週間で2度も放映された。
日本の経済産業省は昨年から、日本文化の海外展開を図るクール・ジャパン事業を本格的に展開しているが、台湾ではそのはるか前から日本の文化や情報を取り入れ、そのスピードはますます加速している。日本の情報が、日本語と中国語で台日同時に受け取れる日が来るのも、そう遠くないのかも知れない。