2025/04/30

Taiwan Today

文化・社会

中国語での情報発信、日本メディアも積極的に

2011/08/09
「AKB48」と「SKE48」が駐日代表処で台湾出発記者会見
中国語による日本の情報発信に、日本の大手メディアが取り組むようになってきている。昨年に小学館が台湾子会社設立、今年は日本テレビが台湾のテレビ局と合弁会社設立、朝日新聞が中国語の電子マガジン発行と、ますます活発化の様相を呈している。 台湾で日本文化のブームが起こってすでに久しい。テレビドラマや漫画、ポップス音楽、ファッション、キャラクターなど、日本のサブカルチャーに憧れる人々を指す「哈日族」という言葉も定着している。だが、これまで日本の情報を積極的に取り入れていたのは台湾の人たちのほうだ。一方、日本企業から台湾に向けた中国語の情報コンテンツの発信は比較的最近のことで、楽天市場やソニー・コンピュータエンタテイメント(SCE)といったショッピングサイトやゲームなどのIT関連、およびジャニーズ事務所やエイベックスなどエンターテイメント系が中心だ。 ところが、昨年から小学館が台湾子会社を設立するなど、老舗の日本大手メディアが中国語圏の市場全体を視野に、中国語のコンテンツ制作に取り組み始めた。今年に入ってから、日本テレビが台湾の中天電視と初の海外合弁会社を設立し、番組制作に乗り出す方針を示している。新会社は中国大陸市場向けにドラマやバラエティ番組を発信するほか、中国大陸の人材や会社との協力も行いたいとしている。
「第4回台日観光サミット」で相互訪問者300万人目指す朝日新聞が創刊した中国語の電子マガジン『新鮮日本』

さらに最近の大きな動きは、朝日新聞が6月に創刊した、中国語で日本のいまを紹介する週刊電子マガジン『新鮮日本』の発行だ。写真を多用し、ファッションや漫画にとどまらず、政治から社会まで最新の出来事や事物を紹介している。同社は同誌創刊に先がけ、東日本大震災を記録した中国語の電子書籍『日本大地震大紀実』も4月に発行した。

日本のメディアの中国語市場への進出が積極化する中、台湾市場でも変化が起きている。台湾のケーブルテレビでは台湾の視聴者を対象に中国語字幕で日本語の番組を常に放送するチャンネルが3チャンネルあるが、主にドラマを放送する緯来日本台(ビデオランド・ジャパン)は、昨年から一部ドラマについて日本での放映中に、台湾での放映を始めている。NHK大河ドラマの『龍馬伝』は同年11月15日から月~金の毎日放映、同時に同名小説の中国語訳も出版された。今年の4~6月に日本で高い視聴率を記録したTBS『JIN-仁-』(第二期・完結編)は、日本の放映から毎回6日後に放映、再放送も合わせ1週間で2度も放映された。

日本の経済産業省は昨年から、日本文化の海外展開を図るクール・ジャパン事業を本格的に展開しているが、台湾ではそのはるか前から日本の文化や情報を取り入れ、そのスピードはますます加速している。日本の情報が、日本語と中国語で台日同時に受け取れる日が来るのも、そう遠くないのかも知れない。

ランキング

新着