調査によると、鶏排メニューのうち、「昔ながらの鶏排(胸肉のフライドチキン)」が最も人気があるが、新しい味わいの「脆皮鶏排(皮がパリパリとした鶏排)」も広く好まれている。行政院農業委員会によると、消費者が鶏排を購入する際には「肉質が軟らかい」、「味付け・処理がよい」ことを最も重視し、「価格」は条件としてはその次だという。また、購入の理由として「台湾の鶏排がおいしいから」、「鶏排が好きだから、食べたいから、食べたくなったから」が最も多く、次に「たまたま鶏排の店を通りかかったから」が続いた。つまり、鶏排は台湾の人々の生活にとって、欠かすことのできないグルメとなっているのである。
また、市場の競争と、こぞって新しいグルメを好む台湾の消費者の習慣から、鶏排を提供する店でも、メニューに常に新しい工夫を凝らしている。昔ながらの鶏排や、脆皮鶏排、蜜汁鶏排(照り焼きのたれで味付けしたもの)、炭焼き鶏排といった馴染みのメニューのほか、チーズ鶏排やフルーツ鶏排といった具を加えたものから、韓国風キムチ鶏排、酸味と辛味のあるタイ風鶏排など異国風味のもの、特大鶏排までさまざまなバリエーションが生み出されている。
栄養の面では、鶏肉にはたんぱく質とビタミンが豊富に含まれている一方、低脂肪・低コレステロールで、含まれている脂肪は不飽和脂肪酸が多い。鶏一羽のうち、胸肉にはビタミンB群が最も豊富に含まれる。現代の健康志向の食生活においては、白肉(鳥類と魚類の肉)の中でも鶏排を食べることは最良の選択と言えるであろう。
養鶏協会によると、台湾全土には約4万店の鶏排店があり、鶏胸肉の摂取が少なかった昔の習慣を変えることに成功している。現在は年間2万羽近くの鶏肉が売られ、市場は年ごとに成長している。