2025/05/06

Taiwan Today

文化・社会

中華民国(台湾)に帰化の外国人、「陳さん」が最多

2012/02/10
昨年12月に行われた留学生によるスピーチコンテストで、自分の名前は「巴」だと説明する参加者。(中央社ニュースサイトより)
内政部は1月30日、外国人が中国語の姓名をつける場合の制限を緩和することを決定した。「姓名条例第1条第3項」は、中華民国国民の外国籍配偶者、もしくは中華民国に帰化した人が中国語の姓を名乗る場合、中華民国の国民が用いる姓名の習慣に合わせるべきと定めている。また、国民が常用する姓を使用しない場合は、教育部の編纂した「国語辞典」、「辞海」、「康煕」などの字典で、その字が姓として解釈可能かどうかを調べるか、台湾省文献委員会などが発行している「台湾区姓氏堂号考」を参考にせねばならない。条例改正後は「通用字典」にある文字で、姓を前に、名を後ろにおく中華民国の習慣に合ってさえいれば登記が可能となる。 現在、外国籍の人が中国語の姓名を名乗る場合、ほぼ中華民国の習慣に沿ったものとなっている。内政部の統計によると、現在、中華民国に帰化している人は7万1398人。そのうち、一つの漢字を姓とする人は7万1366人。二つの漢字による姓を持つ人は32人で、多くは日本の人。最も多い姓は「陳」。「林」、「李」も多い。 日本の人が多く用いる姓は上位から、「李」、「張」、「林」の順で、インドネシアの人で多いのは「黄」、「陳」、「林」。カンボジアの人では「陳」、「林」、「李」が多くなっている。また、アメリカの人は「陳」、「劉」、「林」が多く、イギリスの人は「史」、「鄧」、「韓」。ベトナムの人は「阮」、「陳」、「黎」、韓国の人では「金」、「李」、「朴」。フィリピンの人は「陳」、「林」、「李」、タイの人は、「王」、「林」、「李」となっている。また、外国籍配偶者の多くは、中華民国国民である夫、もしくは妻の姓を名乗っている。帰化した人のうち、姓と名で漢字3文字の人は5万4149人、4文字の人は1万5761人、2文字は1346人、5文字が124人、6文字は18人。 内政部は、多元的なエスニックグループが共同で生活している中華民国(台湾)においては、外来文化と「新移民」の人権に対する尊重と、エスニックグループ間の平等を実現する必要があるとして、数ヶ月にわたって各界の意見を聞き、3度の会議を行ってきた。そして、1月30日には関連の政府各省庁、行政院直轄各市、県・市、外国の中華民国駐在機構及び団体を招いて再び話し合い、外国人が従来の中国語名、もしくは発音に基づいて中国語の姓名を決められるよう、制限を緩和することを決定した。 緩和後の規定は以下の通り。 (1)外国人、無国籍者、及びその子女が戸籍登記をする場合、中国語名をつけなければならない。 (2)中華民国の国民と外国人、もしくは無国籍者が結婚した場合、配偶者(外国人もしくは無国籍)ならびに生まれた子供の中国語の姓は、中華民国の国民が姓名を使う習慣に沿ったものでなければならない。この習慣とは、姓を前に、名を後ろにおくことで、姓の無い人は名前のみ登記することになる。 (3)外国人、無国籍者、及びその子女の中国語の姓名は、従来の漢字の名前、もしくは外国語の発音をあてて姓名とすることが可能。その場合でも、中華民国の習慣に合わせ、姓を前に、名を後ろにせねばならない。 (4)外国人、無国籍者、及びその子女の中国語の姓と名の間に、「・」、「、」を入れたり、スペースを空けたりして分けてはならない。 また、これら外国人、無国籍者の子女も民法1059条の規定に従い、親の姓にならうが、未成年と成年後に一度ずつ、姓を改めることが可能。 なお、2010年7月の時点で、中華民国(台湾)全体で最も多い姓は「陳」(257万4443人)。その後は「林」(191万9747人)、「黄」(139万5104人)、「張」(122万1937人)、「李」(118万8256人)、「王」(95万2921人)、「呉」(93万4991人)、「劉」(73万2743人)、「蔡」(67万3794人)、「楊」(61万4934人)の順で続く。宜蘭県と雲林県で「林」が「陳」を上回っている他は、各県市いずれも「陳」がトップとなっている。

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