台湾におけるオーストロネシア語族の考古学研究の発展の歩みを全面的に把握するべく、国立台湾先史文化博物館とジャーナリストの徐国揚氏は、2006年から、『神秘史前踏浪人(神秘の先史の波の上を歩いた人たち)』という科学教育向けドキュメンタリーフィルムの撮影を始めた。
ドキュメンタリーフィルムの内容は、4000年前の台湾の玉(ヒスイなどの貴石)がどのようにしてフィリピンに流れ着き、ボルネオからインドシナ半島を越え、タイまで伝わったのかを明らかにする「南の海で玉の行方を追う」をはじめ、「紋様の秘密」、「巨石の復活」、「失われた青銅の刀」、「海の上の波を歩いた人たち」の5つの単元に分かれている。有史以前の貿易や、パイワン族とルカイ族の2つの先住民の頭目の家に伝わる秘宝の青銅の刀はどこからきたのか、またオーストロネシア語族の人々が太平洋とインド洋の2つの大洋の広大な空間に散らばっていることなどをたどりながら、有史以前のさまざまな問題を探索し、大変興味深いものとなっている。