2025/05/02

Taiwan Today

文化・社会

有史以前に海を越えた人々を追う、台湾の南島先史文化が明らかに

2012/12/28
台湾は世界の南島語族の中でも、言語の差異が最も大きい地域であり、同語族のルーツである可能性が高いと考えられている。(外交部提供)
台湾は世界の南島語族(オーストロネシア語族)の中でも、言語の差異が最も大きい地域であり、オーストロネシア語族のルーツである可能性が高いと考えられている。考古学の研究でも、台湾から出土した多くの遺跡や文物の年代は、一部が東南アジアのものより古いことを示している。つまり、台湾はオーストロネシア語族の民族形成とその拡散において、極めて特殊で重要な地位を占めていることが明らかなのである。近年来、台東旧香蘭遺跡(台東県太麻里郷)や、台南南科遺跡(台南市新市区)、宜蘭淇武蘭遺跡(宜蘭県礁渓郷)、桃園大園尖山遺跡(桃園県大園郷)などの重要な発見により、台湾はオーストロネシア語族の拡散と移動の研究において、重大な成果を上げている。

台湾におけるオーストロネシア語族の考古学研究の発展の歩みを全面的に把握するべく、国立台湾先史文化博物館とジャーナリストの徐国揚氏は、2006年から、『神秘史前踏浪人(神秘の先史の波の上を歩いた人たち)』という科学教育向けドキュメンタリーフィルムの撮影を始めた。

ドキュメンタリーフィルムの内容は、4000年前の台湾の玉(ヒスイなどの貴石)がどのようにしてフィリピンに流れ着き、ボルネオからインドシナ半島を越え、タイまで伝わったのかを明らかにする「南の海で玉の行方を追う」をはじめ、「紋様の秘密」、「巨石の復活」、「失われた青銅の刀」、「海の上の波を歩いた人たち」の5つの単元に分かれている。有史以前の貿易や、パイワン族とルカイ族の2つの先住民の頭目の家に伝わる秘宝の青銅の刀はどこからきたのか、またオーストロネシア語族の人々が太平洋とインド洋の2つの大洋の広大な空間に散らばっていることなどをたどりながら、有史以前のさまざまな問題を探索し、大変興味深いものとなっている。

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