2025/06/28

Taiwan Today

文化・社会

特色豊かな台湾先住民の祭典(4)

2013/01/15
小米収穫祭でのブランコ遊び(台南市政府サイトより)
◎ルカイ族の祭り ―― 「買沙呼魯祭」、「小米収穫祭」、「搭巴嘎饒望祭」(黒米祭)

ルカイ族は台湾南部・高雄市の茂林区や屏東県の霧台郷、台湾南東部の台東県東興村などに多く暮らしている。3月から4月にかけてアワが育ち、最後の除草前に「買沙呼魯祭」(別名「除草祭」)を行う。未婚の女性は自分の寝具を女団長の家に持ち込み、祭りの間、雑草を取り除く仕事を順番で行う。作業中は皆で童謡や恋の歌を歌う。作業が全て終わると、若い男性が腰につけた鈴を鳴らしながら集落を駆け回り、女性の仕事が終わったことを皆に告げる。夜には若い男女が集まり、焚き火を囲んで踊り、歌う。

毎年8月15日前後、ルカイ族は「小米(アワ)収穫祭」を行う。午前8時か9時に始まり、会場に建てられた茅葺小屋には吉祥を象徴する百歩蛇と太陽の神の絵が掛けられる。皆は民族衣装を着て会場に集まり、皆の歓声と共に儀式が始まる。司宰は祈りを唱え、神と先祖の加護により、豊作がもたらされたことに感謝すると共に、来年の平安と豊作を願う。続いて会場の中央で火が焚かれ、「勇者」たちが一人ひとり、それを飛び越えていく。これは、魔物や妖怪を駆逐することを表している。続いて様々な歌や踊り、競技が行われる。ルカイ族の伝統的な歌舞、ブランコ競争、物を投げる競技、100メートルの徒競走などである。活動は夜まで続く。

 

ルカイ族の小米収穫祭(台東県政府サイトより)

 

高雄市茂林区多納村に住む西ルカイ族は毎年11月25日に、豊年祭に似た「搭巴嘎饒望祭」を行う。「黒米祭」とも呼ばれるもので、主に、神に対して過去1年間の耕作での加護に感謝し、これからの農耕期間における豊かな雨や五穀豊穣を願うものである。この日、西ルカイ族は、神が農耕期間における全ての禁忌を解き、自分たちがこれらの豊かな農産物を食べることを許してくれるよう願う。祭典では「勇者」によるイノシシ狩り、ブランコ遊び、黒米つきなど、伝統行事が続く。また、結婚に適した男性と女性のいる家庭では、それぞれの父母が祭りの間に黒米の束を作って互いに贈る。双方の家長が同意すれば、祭りの中で婚礼を行い、新郎は花嫁を背負って帰って家庭を築く。

 

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