2025/05/17

Taiwan Today

文化・社会

特色豊かな台湾先住民の祭典(8)

2013/01/29
サキザヤ族の「巴拉瑪火神祭」。(行政院原住民族委員会サイトより)
◎タロコ族の祭り――「祖霊祭」
タロコ族は台湾東部の花蓮県に住む。毎年7月、アワの収穫後がタロコ族の「祖霊祭」(先祖の慰霊祭)の重要な季節となる。頭目あるいは長老が時間を決め、当日は夜明け前から集落の男性が皆、祭りの会場に集まる。手には先祖の魂への供え物である、「年糕」(お餅)と豚肉を突き刺した竹の棒を持つ。祭りが終われば、供え物はその場で食べ終える。そして帰宅の際には焚き火を跨ぐことが必要である。

◎サキザヤ族の祭り――「巴拉瑪火神祭」
サキザヤ族も主に花蓮県に住む。「巴拉瑪火神祭」はサキザヤ族が先祖を追悼する祭り。祈りの儀式の後、火葬の儀式で「火神太花棺」を燃やし、火神の霊魂がサキザヤ族の人々と共に復活するよう祈る。

◎セデック族の祭り――「播種(種まき)祭」、「収穫祭」、「祈雨祭」、「狩猟祭」、「捕魚祭」

 

セデック族を題材にした映画『セデック・バレ』の切手。(中華郵政株式会社サイトより)

 

中央山脈を境に、セデック族は東セデック族と西セデック族に分かれる。東セデック族は花蓮県に住み、西セデック族は台湾中部の南投県に集中する。「播種祭」は毎年2月から3月に行われる。集落のリーダーが長老数人と共に祭司と話し合って日取りを決め、同じ区域の集落全てで同時に執り行う。重病の者や歩行が困難な者を除いて全員が参加する。しかし、祭りの期間に同じ区域で人が亡くなった場合、そのときの祭りは取り消され、日を改めて行う。

「収穫祭」は毎年9月から10月に行われる。活動の規模と守るべき規則は「播種祭」と同じである。祭りの前日は夜間の外出が全面的に禁じられる。長期間にわたって雨が降らない場合、セデック族は「祈雨祭」を行う。「祈雨祭」は固定された行事ではないため、どの地域の川で行うかは祭司によって決められる。

セデック族の「狩猟祭」は毎年10月から11月に行われる。「狩猟祭」は新年を迎えるための行事である。高齢者、女性、子供、重病の者以外は全員が参加する。狩猟の獲物は集落の全ての人たちで分け合う。妊婦には二人分が与えられる。

セデック族はアワとキビの収穫、貯蔵を終えると、1ヶ月以内に「捕魚祭」(漁の祭り)を行う。日取りと方法は集落の長老が決めた上で、集落のリーダーに執行を託す。伝統的には「狩猟祭」の後で「捕魚祭」を行うことになっており、二つの祭りの間隔は約1週間とされる。

 

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