1928年ごろ、歌仔戯は台湾から中国大陸の福建地域に伝わり、思いがけず、現地に根付いた。特にアモイと漳州の一帯では、それまで地元で流行していた戯曲に代わり、最もポピュラーな演劇となり、1949年以降は地元を代表するまでになった。
戦後、歌仔戯はさらに急速に発展を遂げ、1980年代に入るまでに、台湾の演劇界はほとんど歌仔戯と布袋戯(ボテヒ、台湾の伝統人形劇)の天下となった。現在、台湾の歌仔戯は、伝統的なものと、野外で行うものの2つに大きく分けられる。前者は宜蘭でアマチュアの団体が楽しみながら演じるもので、後者は一般的で、多くがさまざまな劇場で演じるプロの劇団となっている。また、もっぱら大型の舞台を手掛ける劇団もある。さらに、テレビ歌仔戯もあり、これは「歌仔戯の形式による連続テレビドラマ」と見なすことができる。