2025/08/06

Taiwan Today

文化・社会

台湾ならではのオペラ、大人気の「歌仔戯」

2013/09/03
台湾オペラとも呼ばれる「歌仔戯(ゴアヒ)」は、台湾で最も人気のある伝統戯曲。写真は河洛歌仔戯団。(国家文化資料庫より)
台湾オペラとも呼ばれる「歌仔戯(ゴアヒ)」は、台湾で最も人気のある伝統戯曲であり、台湾での発展を経て成立した唯一の演劇である。歌仔戯は一般に、100年余り前の宜蘭(台湾北東部)地域で、男女の愛情物語がたっぷり含まれた昔ながらの台湾民謡を歌うことから始まったとされている。当初は、民謡が好きな農家が集まって歌っていただけで、徐々に簡単な芝居が盛り込まれるようになった。その後、流行演劇の影響を受け、衣装やメイクアップを取り入れ、いまの歌仔戯の形となったのである。歌仔戯は一般の人々がよく知っている民謡をうたい上げ、また普通の演劇に比べ演目が新鮮で大胆、面白さも兼ね備えるため、急速に発展した。1930年~1940年代には台湾全土の至るところに劇団が存在した。

1928年ごろ、歌仔戯は台湾から中国大陸の福建地域に伝わり、思いがけず、現地に根付いた。特にアモイと漳州の一帯では、それまで地元で流行していた戯曲に代わり、最もポピュラーな演劇となり、1949年以降は地元を代表するまでになった。

戦後、歌仔戯はさらに急速に発展を遂げ、1980年代に入るまでに、台湾の演劇界はほとんど歌仔戯と布袋戯(ボテヒ、台湾の伝統人形劇)の天下となった。現在、台湾の歌仔戯は、伝統的なものと、野外で行うものの2つに大きく分けられる。前者は宜蘭でアマチュアの団体が楽しみながら演じるもので、後者は一般的で、多くがさまざまな劇場で演じるプロの劇団となっている。また、もっぱら大型の舞台を手掛ける劇団もある。さらに、テレビ歌仔戯もあり、これは「歌仔戯の形式による連続テレビドラマ」と見なすことができる。

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