2025/05/12

Taiwan Today

文化・社会

おいしい漢方食材―台湾の「仙草」

2013/11/01
仙草は暑気あたりや喉の渇きに効用があるとされ、煮詰めて飲み物やゼリー状のデザートとして夏に食されたり、香りと効用を活かし、肉を煮込んめばさっぱりとしてコクのある料理になるなど、温かくても冷たくてもおいしく食べられる。(行政院農業委員会サイトより)

「2013年関西仙草まつり」が11月2日と3日の2日間、台湾北西部の仙草特産地、新竹県関西鎮北山里にある仙草加工場で行われる。仙草は暑気あたりや喉の渇きに効用があるとされ、煮詰めて飲み物やゼリー状のデザートとして夏に食されたり、香りと効用を活かし、肉を煮込んでさっぱりとしてコクのある料理になるなど、温かくても冷たくてもおいしく食べられる食材である。

仙草は、またの名を「田草」、「洗草」、「涼草」とも言い、台湾先住民のタイヤル族は「Supurekku」、パイワン族は「Ryarikan」、英語では「Mesona」または「Chinese mesona」と言う。毎年の生産は、3~4月の種まきに始まり、9~10月に成熟したものを収穫する。

「仙草」という名の由来には、おもしろい2つの言い伝えがある。1つは、乾燥した仙草の茎と葉を少々水に入れ煮込み、煮汁を濾したものにデンプンを少し入れると大量の仙草ゼリーとなることから、昔の人は仙人が人々に授けてくれた草だと考えたため、「仙草」と呼ばれるようになったというもの。2つ目は、昔の人が仙草を干したものを煮出してお茶とし、暑気にあたった通りすがりの人に飲ませると、たちまち元気になったことから、病を治すのにこれほどよく効く草は仙人が与えてくれたものと考えたため、「仙草」という名が付いたというもの。

台湾における仙草の栽培地は、新竹県の関西鎮・芎林郷、苗栗県の銅鑼郷・三義郷、桃園県新屋郷(以上台湾北西部)、東部の花蓮県鳳林鎮などに分布する。1950~70年代は、自給自足で生産され、農家の多くは山の斜面や果樹園の足元、菜園の隅といったように副産物として栽培していた。1970~80年代には南部の台南市白河区や中南部の嘉義県の水上郷・中埔郷・竹崎郷などでまずまとまった栽培が行われるようになった。1980年以降、南部での栽培は徐々に減る一方で、新竹県関西鎮で集約的に栽培されるようになった。

現在、極めて安い輸入乾燥仙草もあるが、輸入が解禁されてからも台湾産の仙草は十分生き残っている。特に仙草茶、焼仙草(温かいデザート仙草)、インスタント仙草などが人気だ。

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