ドキュメンタリー映画『湾生回家』が台湾で5月に公開されることに。(田中実加さん提供、中央社)
「湾生」とは、日本占領時代に台湾で生まれた日本人のこと。彼らは台湾で教育を受け、成長し、台湾を故郷としていたが、日本が第二次世界大戦に敗れると日本に「送還」された。しかし、日本に「帰国」すると、本国の日本人は彼らを「二等国民」と差別して、「湾生」と呼んだのである。 ドキュメンタリー映画『湾生回家(故郷-湾生帰郷物語)』は女性の田中実加監督が、今では高齢者となった多くの「湾生」の人たちが苦労して台湾東部の花蓮県を訪ね、当時の隣人や遊び仲間、恋人を探す過程を記録したもの。 同作ではまた、台湾南部・台南地区の「湾生」の子女が病床で、数十年前に日本に送還されて音信不通となった母親を想って泣き続ける姿も伝えられる。台南市にある国立台湾文学館では21日午後2時、田中監督を招いて座談会を開くと共に、新しい予告編も上映、会場でより多くの「湾生」の生活ぶりを紹介するという。