台湾の芸術家の作品が日本の瀬戸内国際芸術祭に参加。写真は「国境を越えて・海」。(文化部サイトより)
20日に開幕する日本の「瀬戸内国際芸術祭」は今年、「海の復権」がテーマ。パブリックアートで有名な中華民国(台湾)の芸術家、王文志(ワン・ウェンチー)氏と林舜龍(リン・シュンロン)氏ら、各国から招かれた24の芸術チームが日本の島々で作品を制作する。現地での制作であり、その過程はチャレンジに満ちたもの。芸術家と創作環境に対する再認識、独特の反応、及び互いに影響しあう関係性が示される。 文化部(日本の省レベル)の補助を受け、招きに応じて三度目の出展となる王文志氏のチームは現地の竹、5000本を使用して360度の開放された巨大なドーム劇場、「オリーブの夢」を作り上げた。外側は長い回廊になっており、鑑賞者は廊下を通って劇場スペースに入る。地元の人たちも竹の加工に参与することで、「オリーブの夢」を育み、東洋の精神世界を肌で体験できる。 林舜龍氏のチームは前回、台湾の深い山からの漂流木を用い、巨大な「種の船(タイトル:国境を越えて・海)」を制作。海を漂う、植物「ゴバンノアシ(碁盤の脚)」の実をイメージした作品を作った。主催者から永久収蔵対象に選ばれたため、今回、この「船」が再び台湾から日本まで「航海(運ばれる)」し、日本・香川県の高松港に到着、約100万人と見込まれる鑑賞者の参観を待っている。前回は豊島(香川県小豆郡)での展示だった。この船は設計図が無いにもかかわらず、何度でも分解して組み立てることが可能で、多くの日本の人たちは好奇心に駆られて参観に訪れたという。さらには日本の文部科学省の外局、文化庁の青柳正規長官も東京から駆けつけて見学した。 林舜龍氏はまた、夏の展示期間(7月18日から9月4日まで)には子どもたちへの関心から生まれた作品を展示する。海砂、もち米、黒砂糖など天然素材を用いて作られた子どもの像196体で、小豆島(香川県小豆郡)のビーチに展示される。7月18日には完成している予定。