2025/05/06

Taiwan Today

文化・社会

ソデグロヅル、台湾の生態保護に新たな歴史

2016/05/20
台湾北部・新北市の湿地に住み着いたソデグロヅル。このほどついに台湾を飛び去った。ソデグロヅルは、台湾の生態保護の歴史に新たな1ページを刻んだ。そしていまも、このツルに関心を寄せる人々が、新たな歴史を刻みつつある。(中央社)

シベリアで繁殖し、南下して越冬する渡り鳥のソデグロヅルが、どうしたわけか台湾に飛来し、そのまま500日以上も滞在を続けていたが、このほどついに台湾北部・新北市の湿地から飛び去った。ソデグロヅルの旅立ちを祝福する人もいれば、別れを惜しむ人もいる。ソデグロヅルに関心を寄せていたあるオランダ企業のCEOは、ソデグロヅルが去ったと知ってもなお、わざわざ台湾を訪れたいと言っている。米国の日刊紙『ニューヨーク・タイムズ』も、このソデグロヅルの特集を企画している。各国間の情報交換を通じてソデグロヅルを守る取り組みは、いままさに台湾の生態保護の歴史に新たな1ページを刻みつつある。

台湾は、太平洋の西側にある弧状列島の中央に位置する。東アジアに生息する渡り鳥にとってはちょうど移動ルートにある。毎年5月の第2土曜日は「世界渡り鳥の日(World Migratory Bird. Day)」だ。渡り鳥の生態保護に関する注意を喚起し、千里の彼方から飛んで来る可愛い客人たちの保護を呼びかける日である。

あるオランダ企業のCEOはこのほど、財団法人台湾生態工法発展基金会(新北市)の邱銘源副執行長に手紙を出してソデグロヅルの様子を尋ね、近いうちに台湾を訪れてソデグロヅルに会いたいと伝えた。

邱副執行長はこのCEOに対し、ソデグロヅルは最近飛び去ったことを伝えた。しかしそれでもこのCEOは、ソデグロヅルが最近まで生息していた新北市金山の清水湿地を見に来たいと言っているという。

邱副執行長によると、ロシアのシベリア地方で最も影響力のあるメディア『シベリアン・タイムズ(The Siberian Times)』は2015年5月、新北市金山の地元住民と愛鳥家たちによるソデグロヅルの保護活動を伝えると共に、フェイスブックの公式ページに「We love you, people of Taiwan」と書き、台湾の人々の思いやりに対して感謝の気持ちを伝えた。

そして米『ニューヨーク・タイムズ』も現在、台湾から6000マイル離れた故郷へ帰るソデグロヅルの物語を特集で伝えることを計画している。「金山小白鶴」と呼ばれたこのソデグロヅルは、台湾の生態保護の歴史に新たな1ページを刻んだ。このソデグロヅルに関心を寄せる台湾の人々も共に、新たな歴史を刻みつつある。邱副執行長は、「ソデグロヅル保護のため、あらゆる苦楽を共にしてくれた台湾生態工法発展基金会のスタッフや各界の関係者、そして私たちに学習の機会を与えてくれたソデグロヅルに感謝する」、「私たちの努力によって、台湾の良心を世界の人々に知ってもらうことができただろう」と語っている。

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