交通部(日本の国土交通省に類似)は今年2月、米自動車配車アプリのUber(ウーバー)に対する業務停止命令を行い、これを受けてUberは台湾市場でのサービスを停止した。こうした中、台湾のタクシー業者である皇冠大車隊(Crown Taxi)は21日より、政府の許可を受けた「多元化タクシー」の営業を開始した。「多元化タクシー」とは、法改正による適度な規制緩和により、「運営の多元化」を認められたタクシー。皇冠大車隊の「多元化タクシー」は、「商務」、「通用」、「旗艦」の3タイプの車種でサービスを提供。車体色には一般のタクシーに認められた「黄色」を使ってはならず、表示灯も搭載しない。ナンバープレートは白地に赤文字。車両台数は今年末までに100台を突破する見込みだという。
台湾北部・台北市交通局によると、台北市の現行規定ではタクシーの初乗り運賃は、最初の1.25キロメートルまでが70台湾元(約255日本円)。その後、200メートルごとに5台湾元(約18日本円)加算される。法改正による規制緩和により、「多元化タクシー」は「車種」、「車体の大きさ」、「サービス内容」に応じて運賃の計算方法を調整することができる。運賃に上限はなく、市場メカニズムによって決められる。
皇冠大車隊は、米Uberが今年2月に台湾でのサービスを停止して以降、台湾で初めて政府の許可を受けて「多元化タクシー」を運営することになる。従来のタクシーとは違い、車体色に黄色を使ってはならず、表示灯も搭載しない。ナンバープレートは白地に赤文字。Uberと同じく、スマホのアプリで配車依頼を行い、クレジットカードでも現金でも精算することができる。但し、9月以降はクレジットカードのみの精算とする予定。
運賃については、皇冠大車隊の場合、「商務(乗用車)」タイプの平日運賃が一般のタクシーと同じであるほか、「通用(ワゴン、ボックスカー)」タイプが一般のタクシーの1.2倍、「旗艦(高級車)」タイプが1.6倍となる。
例えば「商務」タイプの場合、台北市内湖区瑞光路から台北市信義区の台北市役所まで行く場合(走行距離約4.6キロメートル)、運賃は約175台湾元(約640日本円)となる。