離島の金門県では2015年の半ばに牛の口蹄疫が確認された。その後撲滅に努め、2017年9月に国際獣疫事務局(OIE)に対し、「ワクチン接種口蹄疫清浄地域」としての認定申請を行った。行政院農業委員会(日本の農水省に相当)によれば、金門県では先ごろ、同申請がOIEの動物疾病科学委員会の審査を通過したとの知らせを受けた。今後はOIEの各会員国にその内容が送られ、評価を受ける段階へと進む。5月に開かれるOIEの第86回年次総会において、「ワクチン接種口蹄疫清浄地域」と認められることが期待されるという。
また、農業委員会ではすでに関連の措置を推進しているとして、今年7月より、台湾本島、離島の澎湖、馬祖における偶蹄類の動物(豚、牛、ヤギ、シカ)に対するワクチンの接種を停止する計画を予定通り実施する。ワクチン接種の停止後1年間、口蹄疫が発生しなければ、OIEによる規定に基づき2019年には「ワクチン非接種清浄国または地域」としての認定申請が可能になる。
同委員会がすでに推進しているとする関連措置は、「ワクチン接種と抗体のモニタリング強化」、「肉製品市場、処理場、加工場所の環境モニタリング、及び抗体を持たない豚を肉製品市場や卸売場に送り込んで回収し、感染状況を調べることで、ウイルスが存在しないことを証明するテスト」、「偶蹄類動物販売の際に健康証明書を添付する措置の実施に関する産業団体との意思疎通」、「ワクチンの備蓄」など。
台湾本島における口蹄疫は牛と豚、澎湖では豚で発生した。馬祖に発生例はないが、予防措置として政府は中華民国(台湾)の豚、牛、ヤギ、シカの偶蹄類全てにワクチンの接種を行っている。現在、中華民国(台湾)で飼育される豚は約543万2,000頭。牛は14万6,000頭。ヤギは15万1,000頭。