台北メトロ(MRT)を運行する台北大衆捷運股份有限公司(Taipei Rapid Transit Corporation)、その軌道運営管理などを行う台湾の捷邦管理顧問股份有限公司(Metro Consulting Service Ltd)、そしてシンガポールで公共交通機関を運行するSBSトランジット(SBS Transit)の3社が3月下旬、MOUに署名していたことが明らかになった。
SBSトランジットは、シンガポールで地下鉄、ライトレール、路線バス事業などを展開している。同社は今回のMOU締結を通し、軌道工事やメンテナンス能力を高めると共に、台北メトロとの相互交流、視察、人材育成計画、成功事案の共有などを通し、地下鉄運行やメンテナンスに関する経験を蓄積していきたい考え。
2017年上半期、シンガポールの地下鉄で5分以上の遅延につながる事故が発生するまでの平均走行距離は39万3,000㎞だった。シンガポールのコー・ブンワン(許文遠)インフラ統括大臣兼運輸大臣は過去にも、台北メトロを見習い、2020年までにシンガポールの地下鉄の遅延発生率を、2016年の台北メトロの水準(5分以上の遅延が発生するまでの平均走行距離100万㎞)まで改善したいと語ったことがある。
シンガポールのメディアはこれまで何度も、台北メトロの成功について特集を組んで紹介している。台北メトロは、その正確な運行時間と事故に対する迅速な対応で知られている。台北メトロを運行する台北大衆捷運股份有限公司の優れた企業文化に、成功の秘訣の一つがあるとも言われている。